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2026/03/07
夜眠れない原因|ストレスや不安との関係
「布団に入ってもなかなか眠れない」
「夜になると考え事が増えてしまう」
「夜中に目が覚めてしまい、その後眠れない」
このような睡眠の悩みは多くの方が経験する可能性があります。睡眠は心身の回復に重要な役割を持っていますが、ストレスや不安などの心理的要因や脳内の睡眠調節機構が影響すると、眠りに入りにくくなることがあります。
近年の睡眠研究では、睡眠には脳内の神経伝達物質やホルモンが大きく関与していることが分かっています。特に、睡眠と覚醒の調節に重要な役割を持つのがオレキシンとメラトニンです。
この記事では、夜眠れない原因とストレス・不安との関係について、医学的観点から解説します。
夜眠れない主な原因
夜眠れない原因は一つではなく、複数の要因が関係することが多いとされています。
主な原因としては次のようなものがあります。
ストレス
不安や心配事
生活リズムの乱れ
スマートフォンなどの光刺激
うつ状態などの精神的要因
睡眠を調節するホルモンの乱れ
これらの要因が重なることで、寝つきが悪くなったり、途中で目が覚めたりすることがあります。
ストレスと睡眠の関係
強いストレスを感じていると、体は緊張状態になります。これは危険に対応するための生理的な反応ですが、ストレスが長く続くと心身がリラックスしにくくなります。
例えば
仕事のプレッシャー
職場の人間関係
将来への不安
などがあると、夜になっても考え事が続き、眠りに入りにくくなることがあります。
ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、覚醒状態が続きやすくなることが知られています。
不安が強いと眠れなくなる理由
不安を感じると、体内では交感神経が活発になり、心拍数や呼吸が増加します。この状態では体が休息モードに入りにくく、睡眠に影響することがあります。
不安が強い場合
寝つきが悪くなる
夜中に何度も目が覚める
眠りが浅くなる
などの症状がみられることがあります。
また、「眠れないのではないか」という不安そのものが不眠を悪化させる場合もあります。
睡眠を調節するホルモン:メラトニン
睡眠にはメラトニンというホルモンが重要な役割を持っています。メラトニンは脳の松果体から分泌され、体に「夜である」ことを知らせる働きをします。
暗くなるとメラトニンの分泌が増え、自然な眠気が生じます。反対に、強い光を浴びるとメラトニンの分泌が抑えられます。
そのため
夜遅くまでスマートフォンを使用する
明るい照明の環境で過ごす
などの生活習慣は、メラトニン分泌を妨げ、睡眠に影響する可能性があります。
覚醒を維持する神経伝達物質:オレキシン
睡眠と覚醒のバランスには、**オレキシン(ヒポクレチン)**という神経伝達物質も関係しています。オレキシンは脳の視床下部で作られ、覚醒状態を維持する働きがあります。
オレキシンの働きが強くなると、脳が覚醒状態になりやすく、寝つきが悪くなることがあります。
近年では、オレキシンの働きを抑えるオレキシン受容体拮抗薬という睡眠薬も開発されており、不眠症の治療に使用されることがあります。
不眠とうつ・不安症状
睡眠の問題は、うつ状態や不安症の症状として現れることもあります。
例えば
気分の落ち込み
やる気の低下
強い不安
集中力の低下
などの症状がある場合、睡眠の問題と心の状態が関係している可能性があります。
精神医学の診断基準である
DSM-5-TR
や
ICD-11
でも、不眠はうつ病や不安症の重要な症状として位置づけられています。
医療機関への相談を検討する目安
次のような状態が続く場合は、医療機関への相談を検討するとよいでしょう。
眠れない状態が2週間以上続く
睡眠不足で日常生活に支障が出ている
不安や気分の落ち込みがある
市販薬で改善しない
睡眠の問題は早めに原因を確認し適切に対応することで、改善につながることが多いとされています。
夜眠れないときは専門医への相談も
不眠や睡眠障害は珍しい症状ではありませんが、長く続く場合は専門的な評価や治療が必要になることがあります。
横浜・関内の みなとメンタルクリニック では、不眠症や睡眠障害の診療を行っています。眠れない状態が続いている場合は、一人で悩まずご相談ください。
医学監修
田邊 陽一郎 医師
平成15年 秋田大学 医学部卒業
日本精神神経学会 精神科専門医
精神保健指定医
日本医師会 認定産業医
参考文献
厚生労働省
日本睡眠学会
日本精神神経学会
DSM-5-TR
ICD-11