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夏に心と体が不調になるのはなぜ?|夏バテ・夏うつ・夏の不眠・冷房病を横浜・関内の精神科医が解説

「夏になると、決まって食欲が落ちて、体がだるくなる」

「暑さで夜もよく眠れず、日中は頭がぼんやりする」

「毎年、夏の後半になると、気力がごっそり抜けてしまう」

夏のあいだ、心と体の調子を崩す方はとても多くいらっしゃいます。ただ、その多くは「ただの夏バテだろう」「自分の気合いが足りないだけ」と考えて、受診には至りません。

けれど、夏に心身が不調になるのには、いくつものはっきりした理由があります。気合いや体質の問題ではありません。このページでは、横浜市中区・関内のみなとメンタルクリニックが「夏のメンタル不調」ガイドの総論として、なぜ夏に不調が起こるのか、その理由と現れ方を精神科医の立場から説明します。


夏の不調にお悩みの方へ
みなとメンタルクリニックは関内駅から徒歩2分(桜木町駅・馬車道駅から徒歩5分)。祝日以外は土日も診療しており、当日予約にも対応しています。「毎年、夏がつらい」というご相談も歓迎しています。
WEB予約はこちら(当日予約可)/初めての方は初診の方へをご覧ください。


なぜ、夏に心と体は不調になるのか

夏の不調の裏側では、いくつもの負担が同時に重なっています。ひとつずつ見ていきます。

暑さそのものが、体力を削る

体温を一定に保つのは、体にとってかなりの重労働です。暑い環境で体を冷やし続けるあいだ、私たちは絶えずエネルギーを使っています。特別な運動をしていなくても、夏はただ過ごしているだけで消耗している、と考えてよいくらいです。これが、慢性的なだるさや疲れやすさのもとになります。

自律神経が働きづめになる

体温や発汗を調整しているのは自律神経です。夏はこの自律神経が、一年でいちばん忙しく働きます。

とくにこたえるのが、猛暑の屋外と冷房の効いた室内を一日に何度も行き来することです。そのたびに大きな温度差にさらされ、自律神経はせわしなく切り替えを迫られます。これが積み重なると、だるさや頭痛、めまい、気分の不安定さといった形で表に出てきます。冷房との寒暖差による不調については、冷房病・夏の自律神経の乱れ|クーラーだるさと寒暖差の対処で詳しく取り上げています。

眠りが浅くなる

熱帯夜の寝苦しさや、エアコンのつけ方の難しさもあって、夏は睡眠の質が落ちやすい季節です。

睡眠は、心と体を回復させる大事な時間です。その質が落ちれば、日中まで疲れが残り、気力も湧いてきません。夏の不調の多くは、こうした回復不足の悪循環から生まれています。夏の眠りについては夏の不眠|寝苦しい夜の対処と受診の目安で解説しています。

食欲が落ち、栄養と水分が不足する

暑さで食欲が落ちると、そうめんや冷たい飲み物ばかりになりがちです。胃腸も弱り、体を動かして気分を支えるための栄養が足りなくなります。汗をかくわりに水分が追いつかず、軽い脱水がだるさや集中力の低下を招くこともあります。食べられないせいでさらに元気が出なくなる、という流れも夏にはよく起こります。

生活のリズムが崩れる

夏休みやお盆で、寝る時間も食べる時間も普段とずれてきます。そして、その休みが明けたときにリズムを取り戻せず、不調が出ることがあります。長い休みの「あと」に動けなくなるのも、夏に多いつまずきです(夏休み・お盆明けが憂うつ|長期休暇明けに動けないとき)。


「夏バテ」と「夏うつ」は、似ていて違う

こうした負担が重なった結果が、いわゆる夏バテです。だるさや食欲不振、疲れやすさが中心で、涼しくなれば回復していくことがほとんどです。

気をつけたいのは、その一部が気分の落ち込みを主とする「夏うつ」に進むことがある点です。

季節による気分の落ち込みには、冬型と夏型があります。そして、その現れ方はちょうど逆になります。冬型が眠りすぎ・食べすぎに傾くのに対して、夏型は眠れない・食欲が落ちるという形をとりやすいのです。夏の疲れと夏うつは地続きで、見分けが難しいこともよくあります。

体のだるさだけでなく、気分の落ち込みや、これまで楽しめていたことへの興味の薄れが加わってきたら、単なる夏バテを越えているのかもしれません。詳しくは夏バテ・夏うつ|夏の心身の不調と受診の目安で説明しています。


「夏のせい」で片づけないほうがいいとき

夏の不調の多くは、季節が過ぎれば軽くなっていきます。ただ、次のような場合は、夏バテだけの問題ではないかもしれません。

  • 秋になって涼しくなっても、だるさや落ち込みが続いている
  • 気分の落ち込みや、興味の薄れがはっきりしている
  • 眠れない、食べられない状態が2週間以上続いている
  • 毎年、夏になると生活に支障が出るほどつらくなる
  • 「消えてしまいたい」という気持ちがある

季節をまたいでも不調が続くなら、それは夏のせいではなく、うつ病など別の状態が隠れていることもあります。長引く落ち込みについては気分の落ち込みが続く——「ただの落ち込み」と「受診すべきうつ」の境界線もあわせてご覧ください。

「消えてしまいたい」という気持ちがあるときは、季節や程度に関わらず、我慢せず頼ってください。夜間や休診日など、すぐの受診が難しいときは、厚生労働省「まもろうよ こころ」に電話やSNSで相談できる公的な窓口がまとめられています。よりそいホットライン(0120-279-338、24時間・通話料無料)も、どんな内容でも受け付けています。


夏の不調と、うまくつきあうために

夏の不調は、理由を知って先回りしておくと、かなり楽にできます。土台になるのは、寒暖差・睡眠・栄養・リズムの4つです。

まず寒暖差を減らすこと。冷房は下げすぎず、羽織るもので調整して、屋外との温度差を体にとって小さくします。次に眠りを守ること。就寝前後の冷房や寝具を工夫して睡眠の質を保てば、日中の回復力が変わってきます。水分と栄養も意識してとってください。のどが渇く前の水分補給を心がけ、さっぱりしたものだけに偏らず、体を作る栄養も忘れないようにします。そして、休暇中も起床時間だけはできるだけ一定に保つこと。乱れた生活リズムは、休み明けの不調に直結します。

そのうえで、つらさが強いときや毎年くり返すときは、医療の助けを借りてください。「毎年、夏がつらい」というだけで、受診の理由としては十分です。

みなとメンタルクリニックは関内駅から徒歩2分、桜木町駅・馬車道駅から徒歩5分。横浜市中区・関内を中心に、馬車道・桜木町・みなとみらいエリアからもお越しいただけます。祝日以外は毎日診療しており、当日のご予約にも対応しています(枠の状況によります)。女性医師も在籍しています。通院費用が心配な方には、自己負担が原則1割になる自立支援医療の制度があります。

WEB予約はこちら(当日予約可)よくある質問


よくある質問

ただの夏バテと、受診が必要な状態は、どう違いますか?

体のだるさや食欲不振が中心で、涼しくなれば回復するようなら、多くは夏バテの範囲です。一方で、気分の落ち込みや興味の薄れが加わっている、眠れない・食べられない状態が2週間以上続いている、涼しくなっても回復しない、といった場合は一度ご相談ください。

毎年、夏になると調子を崩します。これは病気ですか?

毎年決まって夏に不調がくり返され、生活に支障が出るようなら、季節性の要素が関わっている可能性があります。夏型は不眠や食欲低下を伴うのが特徴です。くり返すパターンがあるなら対処の余地がありますので、ご相談ください。

夏の不調に、薬は使いますか?

まずは睡眠・水分・栄養・寒暖差といった生活面の調整が土台になります。そのうえで、眠れない状態が続く場合などは、お薬が選択肢になることもあります。当院は必要最小限を原則としており、使う場合も、いつまで使い、どうやめていくかまで見据えて始めます。


夏のメンタル不調について|関連記事

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参考文献・情報源

  • 厚生労働省|e-ヘルスネット「季節性感情障害(季節性うつ病)」
  • 厚生労働省|こころの病気について知る(気分障害)
  • 環境省|熱中症予防情報
  • 厚生労働省|まもろうよ こころ 相談窓口一覧

この記事の監修者
田邊 陽一郎(精神保健指定医・精神科専門医・日本医師会認定産業医・難病指定医)/医療法人鴻志会 みなとメンタルクリニック 理事長。秋田大学医学部卒業後、東北での精神科救急・被災地医療、神奈川での在宅医療を経て現職。うつ病・不安症・睡眠障害・認知症などを中心に診療しています。詳しくは田邊陽一郎の理事長プロフィールをご覧ください。

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