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抗うつ薬(抗うつ剤)とは|種類・効果・副作用・やめ方を横浜・関内の精神科医が解説
「抗うつ薬って、結局どんな薬なの?」「種類が多くて違いが分からない」「いつまで飲み続けるのだろう」「一度始めたら、やめられなくなるのではないか」——抗うつ薬について、こうした不安や疑問を抱えている方は少なくありません。出されたお薬の名前を検索して、このページにたどり着いた方もいらっしゃるかもしれません。まずは、この記事の要点です。
- 抗うつ薬は神経伝達物質のはたらきを調整し、脳が回復していくのを後押しするお薬
- 効果を実感するまでに2〜4週間——効かないのではなく、脳が変化している途中
- 系統はSSRI・SNRI・NaSSA・S-RIM・三環系/四環系など。それぞれに個性がある
- 「依存」と「中断症状」は別のもの。急にやめなければ、多くは防げる
- 症状が落ち着いたあともしばらく続けるほうが再発が少ないことが分かっている
- 合う一錠は人によって違う。最初の薬が合わなくても、失敗ではありません
このページでは、抗うつ薬(抗うつ剤)の全体像と、種類ごとの違い、効き始めるまでの時間、副作用、そして大切な「やめ方」まで、横浜市中区・関内のみなとメンタルクリニックの精神科医が、分かっていることは科学的に、分からないことは正直に、できるだけやさしくお伝えします。なお「抗うつ剤」と「抗うつ薬」は同じものを指す呼び方です。
最初にお伝えしたいことがあります。抗うつ薬は、「誰にでも効く魔法の一錠」でも、「飲んだら別人になってしまう薬」でもありません。あなたの脳と体に起きている変化を、時間をかけて少しずつ整えていく手助けをするお薬です。そして、どのお薬がその方に合うかは一人ひとり違うため、主治医と一緒に、対話を重ねながら見つけていくものです。この考え方を軸に、読み進めていただければと思います。
なお、ここでご紹介する内容は、お薬を理解していただくための一般的な情報です。実際にどのお薬を使うか、どのくらいの量にするかは、お一人おひとりの症状や体質、これまでの経過をふまえて医師が判断します。自己判断での服用・中止は避けてください。
お薬のことで迷っている方へ
みなとメンタルクリニックは関内駅から徒歩2分(桜木町駅・馬車道駅から徒歩5分)。祝日以外は土日も診療し、平日は夜間まで診療しています。当日予約にも対応しています。「そもそも薬を使うべきか迷っている」という段階のご相談も歓迎です。他院で処方されている方は、お薬手帳をお持ちください。
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抗うつ薬(抗うつ剤)とは
抗うつ薬とは、気分の落ち込み、不安、意欲や興味の低下といった、うつ病や不安症などにみられる症状をやわらげる目的で使われるお薬の総称です。脳内で情報を伝える神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)のはたらきを調整することに関係していると考えられています。
抗うつ薬は「飲めばすぐに気分が明るくなるお薬」ではありません。また「一度飲み始めたら一生やめられないお薬」でもありません。多くの場合、効果が安定するまで一定の期間を見ながら使い、回復の状態に合わせて、医師と相談しながら少しずつ調整していくお薬です。
脳のはたらきに、どう作用するのか
気分や意欲、不安、睡眠、食欲は、脳の中で神経どうしがセロトニン・ノルアドレナリン・ドパミンといった神経伝達物質をやりとりすることで調整されています。うつ状態では、これらの伝達のバランスが崩れていると考えられています。抗うつ薬は、この伝達のしくみにはたらきかけて、バランスが整っていくのを後押しします。
ただし、ここで大切なことをひとつ。うつは「セロトニンが足りないだけ」「増やせば治る」といった単純な話ではありません。実際、お薬で脳内の神経伝達物質はすぐに増えはじめるのに、効果を実感するまでには数週間かかります。これは、本当の回復が「物質の量」だけでなく、脳が時間をかけて変化し、適応していくこと(神経の可塑性とよばれる現象)によって起こるからです。
当院では、こうした「分かっていること」を正確にお伝えしたうえで、お薬の役割を一緒に確認していきます。分かっていないことは、分からないとお伝えします。
抗うつ薬はどんなときに使われるのか
「抗うつ薬」という名前から、うつ病だけに使うお薬という印象を持たれることがありますが、実際にはうつ病以外にも、さまざまな状態に対して、症状や経過に応じて検討されることがあります。
- 気分の落ち込みが続き、興味や意欲がわかない状態(うつ病・抑うつ状態)
- 強い不安や緊張が続く状態(不安症)
- 突然の動悸や息苦しさをくり返す状態(パニック症)
- 人前での強い緊張や不安が続く状態(社交不安症)
- くり返し浮かぶ考えや行為に苦しむ状態(強迫症)
- つらい出来事の記憶に引きずられる状態(心的外傷後ストレス障害)
どのお薬がどの状態に保険適用となっているかは、お薬ごとに異なります。次の章で、種類ごと・お薬ごとに見ていきます。
抗うつ薬の主な種類——それぞれに「個性」がある
抗うつ薬は、作用のしくみによっていくつかの系統(クラス)に分けられます。はたらき方や得意な場面、副作用の出方がそれぞれ異なり、「新しいから良い」「古いから劣る」と単純に言えるものではありません。その方の症状や体質、生活に合うかどうかで選びます。
- SSRI:セロトニンのはたらきを高めるタイプ。第一選択になりやすい
- SNRI:セロトニンに加えノルアドレナリンにも作用するタイプ
- NaSSA:再取り込み阻害とは異なるしくみで作用するタイプ
- S-RIM:再取り込み阻害に受容体調節を加えた新しいタイプ
- 三環系・四環系:古くからある抗うつ薬
- その他:スルピリド、新しいしくみの薬(ザズベイ)など
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
SSRIは、神経のすき間に放出されたセロトニンが再び取り込まれる「取り込み口」を選択的にふさぎ、セロトニンがはたらく時間を長くするタイプの抗うつ薬です。うつ病だけでなく、不安症やパニック症など幅広い状態に使われ、現在の治療で中心的な役割を担うことが多い系統です。的をしぼってはたらくため比較的副作用が少ないとされますが、飲み始めの時期に吐き気などの消化器症状が出やすく、効果を実感するまでには時間がかかります。国内では次の4つの成分が使われています。
SSRI全体のくわしい解説は「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)とは」をご覧ください。
フルボキサミン(デプロメール/ルボックス)
国内で最初に発売されたSSRIです。うつ病・うつ状態のほか、強迫症、社交不安症にも用いられます。セロトニンの再取り込みを妨げる作用に加え、不安に関わるとされる別の受容体にもはたらくと考えられています。ほかのお薬の効き方に影響する作用(相互作用)が比較的多いとされるため、ほかに飲んでいるお薬がある場合は医師・薬剤師にお伝えください。1日2回の服用が基本となることが多いお薬です。
パロキセチン(パキシル/パキシルCR)
抗うつ・抗不安の作用がしっかりしているとされ、うつ病・うつ状態、パニック症、強迫症、社交不安症、心的外傷後ストレス障害と、幅広い状態に使われてきたお薬です。一方で、体から抜けるのが比較的速いため、急にやめたり飲み忘れたりすると、めまい・しびれ・不安といった中断にともなう症状が出やすいとされています。減らすときは時間をかけて慎重に進めます。少しずつ溶け出すように作られた徐放錠(CR錠)もあります。
セルトラリン(ジェイゾロフト)
ほかのお薬との相互作用が比較的少なく、使いやすいとされるお薬です。うつ病・うつ状態、パニック症、心的外傷後ストレス障害に用いられます。効果と続けやすさのバランスがとれており、最初の選択肢のひとつになることが多いお薬です。少ない量から始め、ようすを見ながら調整します。
エスシタロプラム(レクサプロ)
セロトニンへの選択性を高めた比較的新しいSSRIで、うつ病・うつ状態、社交不安症に用いられます。効果と、のみやすさ(副作用の少なさ)のバランスが良いとされ、1日1回の服用で続けやすいのも特徴です。なお、1日に使える量の上限が定められており、心臓に持病のある方ではとくに注意して使います。
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
SNRIは、セロトニンに加えて、意欲・気力に関わるノルアドレナリンの再取り込みも妨げるタイプの抗うつ薬です。意欲や気力の低下が前面に出たうつや、体の痛みをともなううつで選ばれることがあります。国内では3つの成分が使われています。
SNRI全体のくわしい解説は「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)とは」をご覧ください。
ミルナシプラン(トレドミン)
国内で最初に発売されたSNRIで、うつ病・うつ状態に用いられます。ノルアドレナリンへの作用がやや優位とされます。肝臓の酵素を介した代謝の影響を受けにくく、ほかのお薬との飲み合わせのリスクが比較的低いとされる点が特徴です。
デュロキセチン(サインバルタ)
うつ病・うつ状態に加えて、糖尿病による神経の痛み、線維筋痛症、慢性的な腰の痛み、変形性関節症にともなう痛みにも用いられます。気力の低下や、体の痛みを伴ううつで選ばれることがあります。1日1回の服用が基本となることが多いお薬です。飲み始めの吐き気や、急な中止のときの中断症状に注意します。
ベンラファキシン(イフェクサーSR)
うつ病・うつ状態に用いられます。少ない量ではセロトニンを中心に、量が増えるにつれてノルアドレナリンへの作用も強まる、量によって性質が変わるお薬です。ゆっくり溶ける徐放カプセルになっており、少ない量から始めていきます。
NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)
取り込み口をふさぐのではなく、神経の「ブレーキ役」にあたる受容体を外して、セロトニンとノルアドレナリンの放出そのものを増やす、別系統のお薬です。この系統全体の解説は「NaSSA(ミルタザピン)とは」をご覧ください。
ミルタザピン(リフレックス/レメロン)
うつ病・うつ状態に用いられ、効果が比較的早めに出やすく、不眠や食欲の低下をともなううつに向くことがあります。一方で眠気や体重の増加が出やすいという特徴があります。消化器症状や性機能への影響は比較的少ないとされ、ほかの抗うつ薬と組み合わせて使われることもあります。
S-RIM(セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節薬)
日本で最も新しい世代の抗うつ薬です。再取り込みを抑えると同時に、複数のセロトニン受容体を直接調節する「マルチモーダル」というしくみを持ちます。この系統全体の解説は「S-RIM(ボルチオキセチン)とは」をご覧ください。
ボルチオキセチン(トリンテリックス)
うつ病・うつ状態に用いられます。うつにともなって残りやすい、集中力の低下や考えのまとまりにくさといった面(認知症状)への効果が期待されるタイプです。副作用は吐き気が中心で、性機能への影響や中断症状は比較的少ないとされています。
三環系・四環系抗うつ薬
SSRIなどが登場する前から使われてきた、古い世代の抗うつ薬です。ここで誤解のないようお伝えしておきたいのですが、古い=効果が劣る、ということではありません。21種類の抗うつ薬を比較した大規模な研究では、三環系のアミトリプチリンが効果の面で最上位に位置づけられたと報告されています。強迫症、神経の痛み、頭痛の予防、難治のうつなど、今も大切な出番があります。
一方で副作用が出やすいため、使う場面を選びます。三環系抗うつ薬(イミプラミン、クロミプラミン、アミトリプチリンなど)は、セロトニン・ノルアドレナリンへの作用が強い反面、口の渇き・便秘・排尿のしづらさ・眠気・立ちくらみといった副作用が出やすい傾向があります。四環系抗うつ薬(マプロチリン、ミアンセリン、セチプチリンなど)は、三環系より副作用がおだやかで、気持ちを落ち着かせる方向の作用を持つものがあります。
そのほかのお薬
スルピリド(ドグマチール)
もともと胃薬として開発され、量によって胃薬・抗うつ薬・抗精神病薬と顔が変わる、個性的なお薬です。比較的早く効き、食欲や元気を引き出し、胃の不調にもやさしくはたらくため、最初の一歩として導入しやすい場面があります。
ズラノロン(ザズベイ)
2025年に承認された、これまでの抗うつ薬とは大きく異なるしくみのお薬です。セロトニンやノルアドレナリンではなく、脳のブレーキ役であるGABAのはたらきに作用します。決められた日数だけ服用する、期間を区切った使い方をする点も、従来の抗うつ薬と異なります。
なぜ「すぐには効かない」のか——大切な2〜4週間
抗うつ薬を飲み始めて、すぐに効果を感じられないと、「自分には効かないのでは」と不安になるものです。けれど、これはお薬が効いていないのではありません。多くの抗うつ薬は、効果を実感するまでに2〜4週間ほどかかります。これには理由があります。
お薬を飲むと神経伝達物質は比較的早く増えます。しかし、まず脳の「ブレーキ役」のセンサー(自己受容体)の感度が下がってブレーキがゆるむのに1〜2週間。さらに、神経どうしのつながりを整え直す変化(神経の可塑性)や、神経の成長を支える物質(BDNF)の増加といった、脳が回復に向かって作り変わっていく時間が必要なのです。
やっかいなのは、効果より先に、飲み始めの副作用(吐き気など)が出やすいことです。「副作用だけ出て効かない」と感じてこの時期に自己判断でやめてしまうと、せっかくの治療が中断してしまいます。最初の数週間で効果を感じにくいのは、薬が効いていないからではなく、脳が回復する土台を作っている途中だから。この時期を、不安なまま一人で抱えず、主治医と一緒に越えていくことが、とても大切です。当院では、この時期の不安にこそ、ていねいに寄り添います。
主な副作用と対処——正直にお伝えします
抗うつ薬には、知っておいていただきたい副作用もあります。多くは飲み始めの時期に出て、続けるうちに和らいでいくものですが、正直にお伝えすることが信頼の第一歩だと考えています。
- 飲み始めの消化器症状:吐き気、食欲低下など。増えたセロトニンが消化管を刺激するためで、多くは1〜2週間で和らぎます。
- 賦活症候群:飲み始めや増量の初期に、不安・焦燥・不眠・いらだちなどが強まることがあります。とくに若い方では注意が必要です。気づいたら早めに相談してください。
- 眠気・体重の変化:お薬の種類によって出方が異なります。種類を選ぶことで避けられることもあります。
- 性機能への影響:種類によっては起こることがあります。我慢せず相談を。
- 低ナトリウム血症:高齢の方などで注意が必要なことがあります。
- 出血しやすさ:解熱鎮痛薬などと併用するときに注意が必要なことがあります。
- セロトニン症候群:まれですが、発熱・震え・混乱・脈の乱れなどが急に現れた場合は、服用を続けず、できるだけ早く医療機関に相談してください。
大切なのは、つらい副作用は「がまんするもの」ではないということです。お薬の種類や量を調整することで和らげられることが多くあります。気になる症状は、どうか遠慮なくお伝えください。一緒に、無理のない形を探していきます。
24歳以下の方・ご家族へ知っておいてほしいこと
抗うつ薬の添付文書には、24歳以下の方で自殺念慮や自殺企図のリスクが増加するとの報告があることが記載されています。これは特定のお薬だけでなく、抗うつ薬に共通して示されている注意点です。だからといって「使ってはいけない」という意味ではなく、リスクとベネフィットを考えながら、注意深く見守って使うことが大切だという趣旨です。
とくに飲み始めの時期や量を変えたときは、不安・焦り・気分の波などが現れていないか、ご本人だけでなくご家族にも見守っていただけると安心です。気になる変化があれば、早めに主治医に相談してください。
「依存」「クセになる」は本当か——抗不安薬との違い
「抗うつ薬はクセになるのでは」と心配される方は多いですが、抗うつ薬は、一部の抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)のような「依存」とは性質が異なると考えられています。量がどんどん増えていったり、お薬を求めてやめられなくなったり、という意味での依存を生じる薬ではありません。
ただし、体がお薬に慣れている状態で急にやめると、めまい・しびれ感・不安・不眠などの「中断にともなう症状」が出ることがあります。これは「依存」とは別の現象で、ゆっくり減らすことで予防できることが多いものです。抗不安薬との違いについては、抗不安薬についてのページもあわせてご覧ください。
どのくらいの期間飲むのか
飲む期間は状態によって異なりますが、一般的には、症状が強い時期(急性期)に効果を安定させ、その後も再発を防ぐためにしばらく続ける(継続期・維持期)という流れになることが多いです。調子がよくなってくると「もう飲まなくてもいいのでは」と感じることがありますが、回復した状態を安定させるために、症状が落ち着いてからもしばらく服用を続けることがすすめられる場合が多くあります。
この「症状が良くなった後も続ける」ことには、確かな裏づけがあります。症状が改善した方を「薬を続けるグループ」と「偽薬に切り替えるグループ」に分けて比較した複数の研究をまとめた解析では、その後の再発率が偽薬側で約4割だったのに対し、薬を続けた側では約2割にとどまったと報告されています。良くなった直後にやめると、ぶり返し(再燃)や再発のリスクが高まるのです。やめるタイミングは、こうした点をふまえて、医師が経過を見ながら判断していきます。
急にやめない——減薬・中止のときの注意
抗うつ薬で特に大切なのが、自己判断で急にやめないことです。体がお薬に慣れている状態で急に中止すると、めまい、しびれ感、不安、不眠、体のだるさなどの中断症状が現れることがあります。これはもとの病気が再発したわけではなくても起こることがあります。
減らしたり、やめたりするタイミングや方法は、医師が経過を見ながら少しずつ進めていきます。やめることまで含めて伴走するのが、私たちの役割です。具体的な進め方は「抗うつ薬の減らし方・やめ方|中断症状と中止の注意点」でくわしく解説しています。
飲み合わせ・生活上の注意
- アルコール:飲酒は眠気やふらつきを強めることがあり、基本的には控えることがすすめられます。
- ほかのお薬・市販薬・サプリメント:飲み合わせに注意が必要なものがあります。使う前に相談してください。お薬手帳を一冊にまとめておくと確実です。
- 自己判断で増やさない・減らさない:「効かないから増やす」「楽になったからやめる」といった自己判断は避けてください。
- 運転・危険を伴う作業:眠気やふらつきが出ているあいだは、運転や危険を伴う作業には注意が必要です。
薬だけに頼らない——治療全体の中での位置づけ
抗うつ薬は、つらい症状をやわらげ、回復を支えるための大切な手段のひとつですが、お薬だけで治療が完結するわけではありません。十分な休養、生活リズムの調整、ストレスとなっている環境の見直し、相談を通じたカウンセリング的なアプローチなどを組み合わせることで、回復が安定しやすくなります。うつ病の治療全体については、「うつ病について」のカテゴリもご覧ください。
当院の考え方——「あなたに合う一錠」を、一緒に
ここまで読んでくださって、おそらく感じていただけたと思います。抗うつ薬には多くの種類があり、効き方も副作用も人それぞれ。「この薬が正解」という万能の一錠は存在しません。だからこそ、私たちが大切にしているのは、次のことです。
- 主治医制を大切にしています。できるだけ同じ医師が、これまでの経過と、あなたという人を分かったうえで診療します。お薬の効き方や副作用は、その方の歩んできた経過と生活の文脈のなかでしか、正しく判断できないと考えるからです。
- 最初の一錠が合わなくても、心配いりません。抗うつ薬は種類が豊富で、量の調整や種類の変更によって、合うお薬が見つかることは多くあります。「合わなかった」は失敗ではなく、あなたに合う薬に近づくための大切な手がかりです。
- 科学的な裏づけを、誠実にお伝えします。添付文書や公的な情報、信頼できる研究にもとづいて説明します。分からないことは「分からない」と正直にお伝えします。
- お薬だけに頼りきらない治療を考えます。休養や生活リズム、考え方への向き合い方など、お薬以外の回復の力もあわせて、その方にとって無理のない治療を一緒に組み立てます。
お薬は、回復への道のりを支える「道具」のひとつです。その道具をどう選び、どう使い、いつ手放していくか——それを、あなたを置き去りにせず、対話を重ねながら決めていくこと。それが、みなとメンタルクリニックの抗うつ薬治療です。
いま飲んでいるお薬が合っているか、確かめたい方へ
関内駅から徒歩2分、土日も診療、当日予約に対応しています。「副作用がつらい」「効いている実感がない」「そろそろ減らしたい」——どのご相談でも構いません。他院で処方されてきた方は、お薬手帳をお持ちいただければ、その場で内容を確認できます。
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よくあるご質問(FAQ)
抗うつ薬を飲み始めたら、一生やめられないのですか?
そのようなことはありません。多くの場合、回復の状態を見ながら、医師と相談して少しずつ減らしていくことができます。大切なのは、自己判断で急にやめないことです。
飲み始めて1週間ですが、まったく効きません。合っていないのでしょうか?
効果を実感するまでには、通常2〜4週間かかります。1週間で判断するには早すぎます。ただし、副作用がつらい場合は別で、その時点でご相談ください。がまんして続ける必要はありません。
抗うつ薬で太ることはありますか?
お薬の種類によっては、食欲や体重に影響が出ることがあります。気になる場合は、種類の見直しを含めて相談できますので、我慢せずにお伝えください。
最初に出された薬が合いませんでした。もうだめでしょうか。
まったく問題ありません。抗うつ薬は種類が豊富で、合うお薬が見つかることは多くあります。「合わなかった」という経験自体が、次の一手を決める手がかりになります。
お酒を飲んでもいいですか?
飲酒は眠気やふらつきを強めることがあり、基本的には控えることがすすめられます。心配な場合は主治医に確認してください。
妊娠・授乳中でも飲めますか?
お薬によって考え方が異なります。妊娠を考えている方、妊娠中・授乳中の方は、自己判断で中止せず、必ず事前に相談してください。
当院の特徴|関内駅2分・平日夜間診療・当日予約対応・女性医師在籍
みなとメンタルクリニックは、関内駅から徒歩2分、桜木町駅・馬車道駅から徒歩5分の、通いやすい立地にあります。祝日以外は毎日診療しており、平日は夜19時まで診療しているため、お仕事帰りにも立ち寄っていただきやすい時間帯があります(土曜・日曜も診療)。当日のご予約にも対応していますが、枠の状況によっては、ご希望に添えない場合もございます。できるだけ同じ医師が継続して診療し、お薬についても、ご納得いただきながら進めることを大切にしています。女性医師も在籍し、保険適用の心理検査にも対応しています。うつ病、不安症、不眠症、自律神経失調症、適応障害、発達障害など、こころの不調全般を診療しています。
横浜・関内で抗うつ薬の治療をお考えの方へ
「抗うつ薬を始めるべきか迷っている」「いま飲んでいるお薬について相談したい」「副作用が気になる」「そろそろ減らしていきたい」——そうした不安は、一人で抱え込まず、まずはご相談ください。一人ひとりの状態や希望をうかがいながら、無理のない治療を一緒に考えていきます。
横浜・関内のみなとメンタルクリニックは、関内駅から徒歩2分、桜木町駅・馬車道駅から徒歩5分。祝日以外は毎日診療し、平日は夜間まで、土日も診療しています。当日のご予約にも対応しており(枠の状況によります)、みなとみらいエリアからも通院しやすいクリニックです。横浜市中区・関内を中心に、馬車道・桜木町エリアからもお越しいただけます。
「こんなことで受診していいのだろうか」と、ためらう必要はまったくありません。つらさも、お薬への不安も、我慢するものではありません。初めての方も、緊張されて当然です。私たちは、その一歩を、ていねいにお迎えします。
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系統ごとの解説
個々のお薬について
- SSRI:レクサプロ(エスシタロプラム)/ジェイゾロフト(セルトラリン)/パキシル(パロキセチン)/デプロメール・ルボックス(フルボキサミン)
- SNRI:サインバルタ(デュロキセチン)/イフェクサーSR(ベンラファキシン)/トレドミン(ミルナシプラン)
- NaSSA:リフレックス・レメロン(ミルタザピン)
- S-RIM:トリンテリックス(ボルチオキセチン)
- その他:三環系抗うつ薬/四環系抗うつ薬/スルピリド(ドグマチール)/ザズベイ(ズラノロン)
使い方・やめ方
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参考文献・情報源
本記事の内容は、うつ病・抗うつ薬に関する以下の資料を参考にしています。なお、個々の薬剤の薬物動態・効能・副作用については、各薬剤の最新の添付文書・インタビューフォーム(IF)を出典として、各薬剤ページに記載しています。
- 厚生労働省|こころの健康・こころの病気に関する情報
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)|医薬品の適正使用に関する情報
- 日本うつ病学会|日本うつ病学会治療ガイドライン(大うつ病性障害)
- Geddes JR, et al. Relapse prevention with antidepressant drug treatment in depressive disorders: a systematic review. Lancet. 2003.(維持療法による再発予防に関するメタアナリシス)
- Cipriani A, et al. Comparative efficacy and acceptability of 21 antidepressant drugs for the acute treatment of adults with major depressive disorder. Lancet. 2018.(21種類の抗うつ薬の効果と忍容性を比較したネットワークメタアナリシス)
- DSM-5-TR|アメリカ精神医学会による精神疾患の診断基準(抗うつ薬中断症候群を含む)
- ICD-11|世界保健機関による国際疾病分類
- 各医薬品の添付文書・患者向け医薬品情報
この記事の監修者
田邊 陽一郎(精神保健指定医・精神科専門医・日本医師会認定産業医・難病指定医)
医療法人鴻志会 みなとメンタルクリニック 理事長。秋田大学医学部卒業後、東北での精神科救急・被災地医療、神奈川での在宅医療を経て、現職。うつ病・不安障害・睡眠障害・認知症などを中心に診療。