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メンタルコラム

第17回

仕事にのめり込み過ぎて心身が悲鳴を上げる

まじめに取り組む人がかかりやすい昇進うつ病

やりがいのある仕事に全力投球、体調が悪くなってきた

A子さんは40歳。デザイン関係の会社に勤務していて、役職は係長です。

最近、新しいプロジェクトを立ち上げ、責任者としてみんなをまとめる仕事が増えました。期日も迫っており、新しい知識の習得や慣れない交渉相手との折衝、会議、予算の見積もりや採算制の見込みなどの報告書の作成、上司との打ち合わせなど仕事が次から次へとやってきて、残業が増え、終電で帰って翌朝早く出勤する日が続きました。時には会社に泊まり込むこともありました。その上で、現場での仕事もこなしていたのです。

もともと責任感が強く、細かいこともきちんとしないと気が済まない性格のA子さんは、家にいても新プロジェクトのことばかり考えていました。A子さん自身、新規事業は創造的で有意義なプロジェクトと考えていたので、責任者として精力的に取り組める自分に満足していました。

そんな毎日が1か月も続いたころ、A子さんはだんだん眠れなくなってきました。やがて、睡眠不足のまま出社して仕事がスムーズに進められなくなり、焦ってつまらないミスをし、そしてまた焦るという悪循環に陥っていきました。寝ないとまたミスをすると思って、お酒に頼るようになりましたが、効いたのは最初のうちだけ。飲酒量を増やしても眠れなくなりました。

職場では頭がぼーっとして、イライラしてパソコンの前に座っても集中できません。めまいや吐き気も感じるようになりました。それでも何とか表面上は取り繕って、必死になって仕事をこなしていたのです。

ようやく帰宅すると、昼間の疲れがどっと襲ってきて、怒りっぽくなり、「わーっ!」と大声を上げてしまうこともあります。とうとう、「仕事に行きたくない」と考えるようになりました。

ここに至って、A子さんは内科と耳鼻咽喉科を受診しました。最も訴えやすいつらい症状が目まいや吐き気だったからです。診察の結果、異状は見つからず、精神科への受診を勧められました。

精神科ではうつ病のようなので休職したほうがいいと言われました。しかしA子さんはなかなか決断ができません。

休職して私が抜けたら、仕事を受け継げる人がいなくて新規事業は立ち消えになってしまう・・・・・・でもこのままでは苦しい、つら過ぎる・・・・・・思い切って上司に相談したA子さん。

上司はA子さんが仕事にのめり込み過ぎていること、最近は元気がないことなどに気付いていました。そして、ゆっくり休養して、元気になったらまた出社して仕事に精を出してほしいと言ってくれました。

自分の限界を超えて頑張ってしまう

まさか、自分がこのような病気で休職することになろうとは想像だにしていなかったA子さんにとって、まさに青天の霹靂です。

誰でも、自分の能力の限界を知っておくことは大事なことです。わたしたちはスーパーマンではありません。いくら能力があっても無限に活動できるわけではないのです。時間的な制約、健康状態の制約、家庭・家族の事情からくる制約、経済的な制約・・・・・・誰でもその制約の中でなんとか折り合いをつけながら、生きているのです。

ところがまじめな人ほど、自分の考えや理想が先走って過剰に適応してしまい、体力や精神力がそれについていけずに、不可抗力的にうつ病を発症してしまうという危険性が高いのです。A子さんはその典型といってもいいでしょう。

職場復帰したが他人の失敗にイライラして

A子さんは半年後、ようやく症状が軽くなって職場に復帰。内勤の仕事に替わり、勤務時間も内容も軽減されて、働き過ぎないよう考慮されました。

さらに1年たち、A子さんは通常の勤務形態に戻ることができました。

ところが、以前のような自信や仕事への意欲が出てきません。

何回か精神科医との面談を重ねるうちに、A子さんは他人の至らないところにばかり目がいって、その人への不満が募り、そのため上手にコミュニケーションが取れていないということが分かってきました。

コミュニケーションがうまく取れないので、仕事上で付き合う人がどういう人か分からなくて、相手のちょっとしたしぐさや言葉に敏感に反応して、怖くなって、会話ができずにいることも分かりました。

今までA子さんはチームの先頭に立って、人をぐいぐい引っ張っていくような仕事をしてきました。いわば、戦闘的な仕事ぶりだったのではないでしょうかところが休職して内勤になり、仕事の形態もがらりと変わりました。同僚との仕事の分担も付き合い方も、がらりと変わったでしょう。

A子さんは自分の体や心を休める必要性は納得しましたが、まだ、仕事のやり方や人との付き合い方を変えられるまでには至ってなかったのです。

面談の中でそのことに気付かされたA子さんは、自分で努力して、笑顔で会話をするようにしました。次第に自分の言いたいことが言えるようになり、だんだんと会話が弾むようになると、今までの対人緊張が少なくなって、リラックスして職場にいられるようになりました。

他人は自分の思いどうりにはなりません。仕事をすべて正確に行える完ぺきな人間はいません。仕事は分担し合って、補い合って行うことも必要なのです。

うつ病は誰にでも起こる病気です。仕事の面だけではなく、それまでの人生を見つめ直すいい機会ととらえて、うつ病以降の人生を輝かせてほしいと思います。

当院長が保健同人社「暮しと健康」に連載した「こころの聴診器」を転載したものです。
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