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2026/09/19
寒暖差で眠りが浅くなる・明け方に目が覚めるのはなぜ?|季節の変わり目の睡眠と寝室の整え方を横浜・関内の精神科医が解説
「寝るときはちょうどよかったのに、明け方に寒くて目が覚める」「手足が冷えて、なかなか寝つけない」「夜中に暑くて布団をはいで、そのあと寒くて起きる」。季節の変わり目になると、横浜・関内のみなとメンタルクリニックには、こうした眠りのご相談が増えます。
寒暖差の時期に眠りが浅くなるのは、気持ちの問題ではなく、眠りと体温の間にある、はっきりしたしくみによるものです。そして眠りが浅い日が続くと、日中のだるさや気分の沈みにもつながり、寒暖差疲労全体を重くしていきます。この記事では、気温の変化がなぜ眠りを乱すのか、季節の変わり目に起きやすい眠りの乱れの形、寝室と寝具の整え方、そして一時的な眠りの乱れと相談したほうがよい不眠の境目を、精神科医の立場からお伝えします。
寒暖差疲労の全体像は寒暖差疲労とは?だるさ・肩こり・冷えが出る理由と自律神経の関係、受診の目安を横浜・関内の精神科医が解説でまとめています。この記事はその第3章、「寒暖差と眠り」を掘り下げる回です。
眠りと体温の、深い関係
眠りに入るとき、体の深部の温度は下がっていく
人の体温は一日の中で上下していて、夕方にもっとも高くなり、夜にかけて下がっていきます。とくに眠りに入るときには、体の中心部の温度(深部体温)が下がることが、自然な眠気の合図になっています。深部体温がすっと下がると寝つきがよくなり、下がりきらないと、なかなか眠れません。
体は、手足から熱を逃がして眠りに入る
深部体温を下げるために、体は手足の血管を広げて、手足から熱を外に逃がします。眠くなると子どもの手足が温かくなるのはこのためです。手足を温めると寝つきが早くなることは、研究でも確かめられています。逆に、手足が冷えて血管が縮んでいると、熱をうまく逃がせず、深部体温が下がりにくくなって、寝つきが悪くなります。寒暖差の時期に「手足が冷えて眠れない」ということが起こるのは、このしくみのためです。
明け方、体温は一日の最低になり、そこから上がり始める
深部体温は明け方にもっとも低くなり、そこから目覚めに向けて上がり始めます。ちょうどこの時間帯は、外の気温も一日でいちばん低くなります。体温がもっとも低いときに寝室がいちばん冷え込むので、寝具が季節に追いついていないと、寒さで目が覚めやすくなります。秋の「明け方に寒くて目が覚める」は、このタイミングの重なりで起こっています。
寝室の温度と、眠りの質
睡眠の研究では、寝室が暑すぎても寒すぎても、眠りは浅くなり、夜中に目が覚めやすくなることがわかっています。暑さは、とくに深い眠りを減らし、目覚めを増やします。寒さについては、寝具で体が十分に温かく保たれていれば、眠りへの影響は比較的小さいとされています。つまり、寒い時期に大切なのは、部屋の温度そのものより、布団の中が温かく保たれているかどうかです。布団の中の温度は、33度前後が心地よいとされています。
季節の変わり目に眠りが乱れやすいのは、外の気温が日によって大きく動くのに、寝具や寝室の設定がそれについていけないからです。前日と同じ寝具でも、今夜は暑すぎたり、寒すぎたりします。
季節の変わり目に起きやすい、眠りの乱れの形
秋:寝るときは暑く、明け方は寒い
秋の夜は、寝る時間にはまだ暖かさが残っているのに、明け方には一気に冷え込みます。夏の薄い寝具のままだと、明け方の冷え込みで目が覚めます。かといって厚い布団に替えると、寝入りが暑くて寝つけない。この「寝入りと明け方の差」が、秋の眠りを浅くする代表的な形です。
秋から冬:手足が冷えて寝つけない
気温が下がってくると、手足が冷えたまま布団に入ることが増えます。手足から熱を逃がせず、深部体温が下がりにくいため、布団に入ってもなかなか眠れない、という形で出ます。
春:寝具が重すぎて、夜中に暑くて目が覚める
春先は反対に、冬の寝具のままでいると、暖かい夜に暑くなって目が覚め、布団をはいで寝ると、今度は明け方の冷え込みで目が覚める、という行きつ戻りつが起こります。
エアコンのタイマーが切れたあとに目が覚める
暑さ寒さ対策でエアコンのタイマーを使うと、切れたあとに室温が大きく変わり、そのタイミングで目が覚めることがあります。とくに明け方に切れる設定は、体温がもっとも低い時間帯と重なるので、目覚めにつながりやすくなります。
眠りが浅いと、日中に何が起こるか
眠りが浅い日が続くと、日中のだるさ、頭の重さ、集中しにくさが強くなります。自律神経の回復は主に眠っている間に進むので、眠りが浅いと、寒暖差を受け止める余裕も戻りにくくなります。
さらに、睡眠不足は気持ちの面にも影響します。眠りが足りない状態では、不快な出来事に対する感情の反応が強くなることが、脳の研究で示されています。些細なことでイライラする、気分が沈みやすい、という変化は、眠りの浅さから来ていることも少なくありません。寒暖差と気分の関係は、シリーズ第4章で詳しくお伝えします。
寒暖差の時期の、眠りの整え方
寝具は「重ねて調整できる」形にする
季節の変わり目には、厚い布団を一枚使うより、薄手の掛け物を重ねて、その夜の気温に合わせて調整できる形がおすすめです。寝入りは一枚、明け方に冷えそうな夜は足元にもう一枚、というように、枚数で調整できると、寝入りと明け方の差に対応しやすくなります。
寝る前に、手足を温めておく
手足が冷えて寝つけないときは、布団に入る前に手足を温めておくと、熱を逃がしやすくなって寝つきがよくなります。寝る1〜2時間前の入浴がいちばん効果的です。入浴できない日は、足湯や、締めつけの少ない靴下で足元を温めるのも役立ちます。寝るときに湯たんぽを使う場合は、低温やけどを防ぐため、布団を温めておいて、寝るときは体から離しておくのが安全です。
エアコンは、明け方に切れないように
エアコンを使う場合は、タイマーで明け方に切れる設定を避け、弱めの設定でつけておくか、起きる少し前に入るように設定するほうが、眠りを保ちやすくなります。起きる時刻の少し前に暖房が入るようにしておくと、布団から出るハードルも下がります。
起きる時間をそろえ、朝の光を浴びる
眠りが浅かった翌朝でも、起きる時間はなるべくそろえてください。寝坊で取り返そうとすると、体内時計がずれて、次の夜がさらに眠りにくくなります。起きたらカーテンを開けて朝の光を浴びることで、夜の自然な眠気が戻りやすくなります。
寝る前のお酒と、遅い時間のカフェインを控える
お酒は寝つきをよくするように感じますが、夜中に目が覚めやすくなり、眠りを浅くします。カフェインも眠りを浅くするので、午後の遅い時間には控えめにしてください。
眠ろうとがんばりすぎない
眠れない夜に「早く眠らなければ」と焦るほど、目は冴えていきます。寝床で長く眠れないときは、いったん布団から出て、暗めの明かりの下で静かに過ごし、眠気が来てから戻るほうが、結果として眠りにつきやすくなります。
一時的な眠りの乱れと、相談したほうがよい不眠の境目
寒暖差の時期の眠りの乱れは、寝具や寝室を整え、気温が落ち着いてくると、多くは自然に戻っていきます。一方、次のような状態がある場合は、寒暖差だけでは説明しきれない不眠が始まっている可能性があります。
- 寝具や寝室を整えても、眠れない夜が週に3回以上続いている
- 気温が落ち着いても、眠りが戻らない
- 眠れないことで、日中の仕事や家事に支障が出ている
- 明け方に目が覚めて、そのまま眠れず、朝から気分が重い日が続いている
- 眠れないことへの不安が強くなり、夜が来るのがつらい
- 気分の落ち込みや、何をしても楽しくない感じが、ほぼ毎日2週間以上続いている
とくに、明け方に目が覚めて眠れず、朝がいちばん気分が重い、という形が続くときは、気分の不調が眠りに表れている可能性があります。眠りだけを整えようとするより、一度ご相談いただくことをおすすめします。朝起きられない状態が続くときは朝起きられない状態についての記事を、気分の落ち込みの見分け方は気分の落ち込みが続く——「ただの落ち込み」と「受診すべきうつ」の境界線をご覧ください。受診の目安と、受診したら何をするかは、シリーズ第6章で詳しくお伝えしています。
なお、秋に日が短くなることで朝起きられない、日中も眠い、という「光による眠気」については、当院ブログの「秋のメンタル不調シリーズ」で扱っています。
夜間や休日など、すぐに受診できないときに相談できる公的な窓口もあります。
- よりそいホットライン:0120-279-338(24時間・通話無料)
- こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」:電話・SNSでの相談窓口をまとめたサイト
横浜・関内で季節の変わり目の眠りの不調をご相談いただくには
みなとメンタルクリニックは、関内駅から徒歩圏内、横浜市中区・馬車道・桜木町・みなとみらいエリアからも通いやすい場所にあります。土日も診療しており、当日のご予約にも対応していますので、「寝室を整えても眠れない夜が続いている」と感じた時点でお気軽にご相談ください。
診察では、眠りがどんな形で乱れているか(寝つき、夜中、明け方)、気温との連動があるか、気分の不調が重なっていないかを、お話をうかがいながら一緒に整理します。眠りの習慣と生活リズムの調整を中心に、必要に応じてカウンセリング的なアプローチや薬による治療を組み合わせます。眠りを助ける薬を使う場合も、目的と使う期間をご説明し、ご本人と相談しながら決めます。初診の流れは横浜関内で心療内科を当日予約したい方へ|今日つらいときの受診目安と初診の流れを、会社帰りの受診については会社帰りに通える心療内科をお探しの方へ|横浜・関内で夜間・土日も診療、当日予約に対応をご覧ください。
寒暖差による不調シリーズ(全6章)
- 総論:寒暖差疲労とは?だるさ・肩こり・冷えが出る理由と自律神経の関係、受診の目安を横浜・関内の精神科医が解説
- 第1章:寒暖差疲労の症状とセルフチェック|「気温と連動しているか」で見分ける
- 第2章:寒暖差疲労の整え方|服装・入浴・運動・寝室の温度でできること
- 第3章:寒暖差で眠りが浅くなる・明け方に目が覚めるのはなぜ(この記事)
- 第4章:寒暖差で気分が沈む・イライラするのはなぜ
- 第5章:寒暖差で動悸・めまいがする・血圧が気になるとき
- 第6章:寒暖差のせいと思っていた不調が続くとき|受診したほうがよいサインの見分け方
夏の寝苦しさによる眠りの悩みについては夏の不眠についての記事もあわせてご覧ください。
よくあるご質問
眠れないときに、お酒を少し飲むのはいけませんか?
寝つきがよくなったように感じても、お酒は夜中に目が覚めやすくなる原因になり、全体としては眠りを浅くします。また、続けるうちに量が増えやすいことも心配です。眠れない夜が続くときは、お酒で対処するより、一度ご相談ください。
眠れないとき、睡眠薬は使ったほうがいいですか?
寒暖差による一時的な眠りの乱れは、寝具や寝室を整えることで戻ることが多いので、まずはそちらから試してみてください。整えても眠れない夜が続く場合や、気分の不調が重なっている場合には、眠りを助ける薬を使うこともあります。使う場合も、目的と期間を決めて、ご本人と相談しながら進めます。
当日に予約して受診できますか?
はい。当日のご予約に対応しています。土日も診療していますので、平日にお休みが取りにくい方もご利用ください。
この記事の監修者
田邊 陽一郎(精神保健指定医・精神科専門医・日本医師会認定産業医・難病指定医)
医療法人鴻志会 みなとメンタルクリニック 理事長。秋田大学医学部卒業後、東北での精神科救急・被災地医療、神奈川での在宅医療を経て、現職。うつ病・不安障害・睡眠障害・認知症などを中心に診療。