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2026/06/20

会社に行こうとすると涙が出る|その涙が伝える心のSOSと対処法を横浜・関内の精神科医(産業医)が解説

「朝、会社に行こうとすると、理由もないのに涙が出てくる」「通勤電車のなかで、ふいに涙がこぼれる」「職場が近づくと、体が重くなる」——もしあなたが今、こうした状態にあるなら、それは決して「気の弱さ」や「甘え」では、ありません。心と体が、限界を伝えようとしている、SOSかもしれません。まずは、この記事の要点です。

  • 会社に行こうとして出る涙は、弱さや甘えではなく、心と体のSOS
  • 強いストレスで自律神経のバランスが乱れ、涙という形で表に出ている
  • 「行かなければ」と思っても体が拒む——その心と体のズレが、限界のサイン
  • 背景に燃え尽き症候群・適応障害・うつ病が隠れていることもある
  • まずやることは「気合で乗り切る」ではなく、休んで、頼ること

この記事では、なぜ会社に行こうとすると涙が出るのか、その背景に考えられる状態、やってはいけないこと、そしてどう動けばよいかを、産業医でもある横浜・関内のみなとメンタルクリニックの精神科医が解説します。今つらい方は、無理に最後まで読まず、気になるところだけ拾って読んでいただいて構いません。

「会社に行こうとすると涙が出る」——それは、心のSOSです

涙が出るのは、もう心が、ストレスを抱えきれなくなっているサインかもしれません。「まだ大丈夫」「みんな頑張っている」と自分に言い聞かせて頑張り続けた結果、感情が、自分の意思とは別の形で、あふれ出てしまっている状態です。

これは「弱いから」ではなく、強い負荷に対して、心と体の健康な防衛反応が、進みすぎてしまった状態だと考えられます。「サボり」でも「気のゆるみ」でも、ありません。むしろ、これまで真面目に頑張ってきた人にこそ、起こりやすいものです。涙が出るということは、それだけあなたが、限界まで踏ん張ってきたということ。どうか、涙が出る自分を、責めないでください。その涙は、あなたを責めるためではなく、守るために出ているのです。

なぜ、涙が出るのか

仕事のことを考えたり、職場に近づいたりすると涙が出るのは、強いストレスによって、自律神経のバランスが乱れているサインです。自律神経は、心拍や呼吸、緊張やリラックスを、自動で調整している神経で、過剰なストレスが続くと、このバランスが崩れ、涙や動悸、体の不調といった形で、表に出てきます。

つまり、涙は「心だけでなく、体も悲鳴をあげている」状態を映しています。頭では「行かなければ」と思っていても、体がそれを拒んでいる——この心と体のズレこそ、無理が限界に近づいている、何よりのサインなのです。意志が弱いのではありません。あなたの体が、正直に「もう限界だ」と教えてくれているのです。

涙以外に現れるサイン

涙とあわせて、次のようなサインが現れていないか、振り返ってみてください。複数当てはまる場合は、心身の疲労が、かなり進んでいる可能性があります。

  • 体のサイン:出社前の強い吐き気・腹痛・動悸・めまい、頭痛や肩こり、息苦しさ、朝起きられない、眠れない、食欲がない、通勤途中に体調が悪くなる
  • 心のサイン:朝方の強い憂うつ、常に不安や緊張がある、何をしても楽しめない、集中力が続かない、将来に希望がもてない、自分を責めてしまう
  • 行動のサイン:仕事でのミスが増えた、遅刻や欠勤が増えた、人と関わるのを避けるようになった

これらは、気合や根性の問題では、ありません。ストレスによる、心身の反応です。無理を続けると、心身症や、体の病気のリスクにもつながることが知られています。だからこそ、サインに気づいた今のうちに、立ち止まることが大切です。

「日曜の夜になると憂うつ」——サザエさん症候群

「休日は少し楽になるのに、日曜の夕方から気分が重くなる」という方も、多いのではないでしょうか。これは俗に、サザエさん症候群とも呼ばれます。週末や在宅勤務で症状が軽くなるのは、職場という負荷から、一時的に離れるためです。

ここで大切なのは、休んで軽くなるからといって、「気のせい」ではない、ということです。むしろ、特定の場面(職場)で強く症状が出るのは、その環境が大きな負担になっている、証拠ともいえます。「休めば治るなら、自分が甘えているだけでは」と考えてしまう方がいますが、それは逆です。休むと楽になるのは、負担の在りかがはっきりしている、ということ。だからこそ、「根性」だけで乗り切ろうとするのではなく、環境を見直し、心身を整える視点が必要になります。

背景に考えられる状態

「会社に行こうとすると涙が出る」という状態の背景には、次のような心の不調が、隠れていることがあります。

  • 燃え尽き症候群(バーンアウト):頑張り続けた末に、心身のエネルギーを使い果たした状態。詳しくは「燃え尽き症候群とは」のページをご覧ください。
  • 適応障害:上司との関係、異動・配置転換、ハラスメント、過重労働など、はっきりしたストレス要因に適応できず、心身に不調が現れる状態。原因から離れると、比較的軽くなるのが特徴です。
  • うつ病:気分の落ち込みや意欲の低下が長く続き、休んでも回復しにくい状態。理由もなく涙が出ることもあります。

これらは重なり合うこともあり、自分で見分けるのは、簡単ではありません。「自分はどれなのだろう」と一人で悩まなくて大丈夫です。見分けは、専門医の役割です。とくに、こうした状態が2週間以上続く場合は、早めに専門医にご相談ください。

やってはいけないこと

つらい状態のときに、かえって自分を追い込んでしまう対応があります。次のことは、避けてください。

  • 「気合で乗り切ろう」と無理に出勤し続ける:一時的にしのげても、心身の消耗が進み、回復に時間がかかるようになります。
  • 「自分が弱いせいだ」と責める:涙が出るのは健康な防衛反応であって、弱さではありません。自責は、さらに心を追い詰めます。
  • 誰にも言わず、一人で抱え込む:相談できないまま我慢を重ねると、限界を超えてしまいます。

これらは、どれも「真面目な人ほど、やってしまいがちなこと」です。もし心当たりがあっても、ご自身を責めないでください。気づけたなら、そこから変えていけます。

つらいとき、どう動けばいいか

「涙が出るほどつらい」と感じたら、次のような一歩を、考えてみてください。すべてを一度にやる必要はありません。できそうなものから、ひとつずつで大丈夫です。

  • まず、休む:可能であれば、いったん仕事から距離を置き、心と体を休めることが、回復の第一歩です。
  • 相談先を頼る:会社に産業医や保健師、相談窓口がある場合は、まず相談してみましょう。これらの専門家には守秘義務があり、安心して相談できます。
  • 使える制度を確認する:休職、配置転換、短時間勤務など、会社の制度として利用できるものがないか、確認しておくと安心です。
  • 医療機関を受診する:症状が続くときは、精神科・心療内科を受診してください。状態の見立てや、必要に応じた治療、休職に必要な診断書の相談もできます。

こんなときは専門医に相談を

次のような場合は、無理をせず、精神科・心療内科にご相談ください。

  • 会社に行こうとすると涙が出る状態が、2週間以上続いている
  • 吐き気・動悸・不眠など、体の不調をともなっている
  • 気分の落ち込みや意欲の低下が続いている
  • 仕事に行けず、生活に支障が出ている
  • つらさが強く、消えてしまいたいと感じることがある

とくに「消えてしまいたい」という気持ちが頭に浮かぶときは、一人で抱え込まず、できるだけ早く、医療機関や相談窓口を頼ってください。その気持ちは、あなたの本心ではなく、疲れきった心が見せているものです。また、体の病気が隠れていることもあるため、気になる症状は、まず相談することが大切です。「これくらいで受診していいのだろうか」と、ためらう必要はありません。涙が出るほどつらいなら、それは十分に、相談してよい理由です。

みなとメンタルクリニックでのご相談

みなとメンタルクリニック(横浜・関内駅から徒歩2分)では、「会社に行こうとするとつらい」「涙が出る」「仕事に行けない」といったご相談を、お受けしています。当院の理事長は日本医師会認定産業医でもあり、「仕事と心の健康」という視点から、状態の見立て、働き方や休職に関するご相談、必要に応じた治療まで対応しています。精神保健指定医・精神科専門医が、今のおつらい状態をていねいにうかがい、回復に向けた方針を、ご一緒に考えます。「うまく話せる自信がない」という方も、どうぞご安心ください。言葉にならないお気持ちごと、受け止めます。

当院は土日も診療しているため、お仕事を続けながら通院したい方も、ご相談いただけます。休職が必要な場合の診断書の作成にも対応しています。受診の事実が勝手に勤務先へ伝わることはなく、プライバシーには十分に配慮しています。「会社に知られたら」という心配は、いりません。

初診の流れ

初めての方にも分かりやすいよう、受診の流れをご案内します。

  • ご予約:お電話またはWebから、ご予約いただけます。当日のご相談については、お問い合わせください
  • 問診:現在の症状やお困りごと、これまでの経過、お仕事の状況などをうかがいます。話せる範囲で、大丈夫です
  • 診察:医師がお話をうかがい、今の状態の見立てと、これからの方針を、ご一緒に考えます
  • 今後の方針:治療や通院、必要に応じて休職について、ご提案します

よくある質問

会社に行けないのは、甘えなのでしょうか?

いいえ。涙が出たり体が動かなかったりするのは、強いストレスに対する心身の反応であり、甘えではありません。むしろ、これまで頑張ってきたサインです。

休んでもいいのでしょうか?

つらいときに休むことは、回復のために大切な選択です。無理に出勤を続けると、かえって回復に時間がかかることがあります。まずは休んで、専門家に相談しましょう。休むことは、逃げではなく、立て直すための時間です。

何科を受診すればよいですか?

精神科または心療内科です。「会社に行こうとすると涙が出る」「仕事がつらい」というご相談として、受診していただいて差し支えありません。うまく症状を説明できなくても大丈夫です。

休職するには、診断書が必要ですか?

はい、休職には医師の診断書が必要になります。当院でも、状態を診たうえで、必要に応じて診断書を作成しています。まずはご相談ください。

横浜・関内で、仕事がつらく涙が出る方へ

朝、涙をこらえて会社へ向かう——それを、どれだけ続けてこられたでしょうか。まず、ここまで頑張ってきたご自身を、ねぎらってあげてください。涙が出るのは、あなたが弱いからではなく、限界まで真面目に向き合ってきたからです。どうか、一人で抱え込まないでください。

横浜・関内のみなとメンタルクリニックでは、燃え尽き症候群、適応障害、うつ病、不安症、不眠症など、働く方の心の不調全般の診療を行っています。日本医師会認定産業医である理事長のもと、治療と、働き方の調整の両面から、あなたを支えます。関内駅から徒歩2分、桜木町駅・馬車道駅からも徒歩5分。土日も診療しており、当日のご予約にも対応しています(枠の状況によります)。お仕事を続けながらでも、通院しやすい環境です。横浜市中区・関内を中心に、馬車道・桜木町・みなとみらいエリアからもお越しいただけます。

「こんなことで受診していいのだろうか」と、ためらう必要はまったくありません。つらい朝を、これ以上一人で抱えないでください。初めての方も、緊張されて当然です。私たちは、その一歩を、ていねいにお迎えします。

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この記事の監修者

田邊 陽一郎(精神保健指定医・精神科専門医・日本医師会認定産業医・難病指定医)

医療法人鴻志会 みなとメンタルクリニック 理事長。秋田大学医学部卒業後、東北での精神科救急・被災地医療、神奈川での在宅医療を経て、現職。うつ病・不安障害・睡眠障害・認知症などを中心に診療。

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