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2026/07/02
いびき・日中の強い眠気が気になる方へ|睡眠時無呼吸症候群と不眠症の見分け方
「いびきがうるさい」と、家族に言われる。「途中で息が止まってる」とも。
でも、本人には自覚がありません。眠っている間のことですから。むしろ「毎晩ぐっすり眠っている」と思っている。それなのに、朝は頭が重く、昼過ぎには会議中に意識が飛びそうになり、運転中にハッとすることがある——。
この状態を、多くの方が「疲れが溜まっているだけ」「歳のせい」と片付けています。あるいは、うつ病や不眠症だと思って精神科を受診される。実は、睡眠時無呼吸症候群だった、というケースを、当院でも何度も経験してきました。
この記事では、無呼吸と不眠症の見分け方を、横浜市中区・関内のみなとメンタルクリニックの精神科医が解説します。当院では自宅でできる睡眠時無呼吸の検査・治療に対応しています。不眠全体の地図は不眠症とは|4つのタイプ・原因・治し方・受診の目安にまとめてあります。
いびき・日中の眠気が気になる方へ
みなとメンタルクリニックは関内駅から徒歩2分(桜木町駅・馬車道駅から徒歩5分)。祝日以外は土日も診療しており、当日予約にも対応しています。自宅でできる睡眠時無呼吸検査を実施しています。
▶ WEB予約はこちら(当日予約可)/初めての方は初診の流れのご案内をご覧ください。
睡眠時無呼吸症候群とは、何が起きているのか
眠っている間、喉の奥の空気の通り道が狭くなったり、塞がったりして、呼吸が止まる。これが睡眠時無呼吸症候群です。
呼吸が止まれば、体は酸素不足に陥ります。すると脳が警報を鳴らし、覚醒して呼吸を再開させる。ここで大事なのは、この覚醒が、本人が目覚めたと自覚しないレベルのごく短いものを含むということです。
それが、一晩に何十回、何百回。眠りは、そのたびに細切れに断ち切られます。深い眠り——脳と体が回復するための眠りには、たどり着けない。
結果、こうなります。眠った時間は十分。眠れた自覚もある。それなのに、まったく休めていない。
不眠症との、決定的な違い
ここが、この記事の核心です。両者は、症状の出方が正反対の部分を持っています。
本人の自覚が、真逆
不眠症の方は、「眠れない」と訴えます。寝つけない、夜中に目が覚める、朝早く目が覚める。眠れないことを、本人が知っている。
無呼吸の方は、「眠れている」と思っています。だから、不眠の自覚がない。訴えるのは「疲れが取れない」「日中眠い」であって、「眠れない」ではないのです。
この違いは、受診行動にも影響します。「眠れない」人は不眠の相談に来る。「眠れているのに疲れる」人は、内科を回ったり、「気力の問題かも」と悩んだりして、原因にたどり着けない。
日中の眠気の質が、違う
ここも重要です。
不眠症の方は、日中つらいけれど、いざ横になると眠れないことが多い。脳が過覚醒の状態にあるため、疲れているのに眠気そのものは来ない。「眠りたいのに眠れない」のです。
無呼吸の方は、抗いがたい眠気に襲われます。会議中、運転中、信号待ちで。意志の力では抵抗できない眠気。座っていると落ちる。これは、慢性的な睡眠の分断による、本物の睡眠不足だからです。
「日中、うっかり眠ってしまうことがあるか」——診察でこれを聞くのは、この違いを確かめるためです。
無呼吸を疑うサイン
次の項目に心当たりがあれば、検査を検討してください。
- 大きないびきをかく(家族に指摘される)
- いびきが途中で止まる、息が止まっていると言われた
- 日中、抗いがたい眠気に襲われる(会議中、運転中に)
- 起床時に頭痛がする、口が渇いている
- 夜中に何度も目が覚める、トイレに起きる
- 寝ても疲れが取れない
- 高血圧がある、治療してもコントロールが悪い
- 集中力が落ちた、記憶力が落ちた気がする
とくに、大きないびき+日中の強い眠気が揃うなら、可能性は高いと考えてください。
放置してはいけない理由
無呼吸が、単なる「いびきの問題」ではないのは、体への影響が大きいからです。
一晩に何百回も酸素が下がり、そのたびに体が緊張する。この負荷は、高血圧、不整脈、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病のリスクを高めることが知られています。「血圧の薬を飲んでいるのに、下がらない」——その背景に無呼吸が潜んでいることは珍しくありません。
そして、日中の眠気による事故。運転中の居眠りは、自分だけの問題では済みません。
「いびきくらいで病院に行くのは大げさ」——その遠慮が、命に関わる場面があります。
うつ病と間違われることもある
精神科医として、強調しておきたい点です。
無呼吸による症状——日中の眠気、疲労感、集中力の低下、意欲の低下、気分の落ち込み。これらは、うつ病の症状と、驚くほど重なります。
だから、無呼吸の方が「うつ病かもしれない」と精神科を受診されることがある。逆に、うつ病の治療をしているのに一向に良くならない方を調べたら、無呼吸が背景にあった、ということもある。
そして、両方あることも珍しくありません。無呼吸で眠りが壊れ、その慢性的な睡眠不足がうつ病を引き起こす・悪化させる——という経路も、十分に成立します。
だから当院では、うつ病や不眠の相談でも、いびきと日中の眠気を必ず確認します。そして疑わしければ、検査を提案します。精神科と内科の両方を診てきた強みが、ここで生きます。
検査と治療
自宅でできる検査
「検査のために入院しないといけないのでは」と思っている方が多いのですが、まずは自宅でできる簡易検査から始められます。当院では、自宅で睡眠中の呼吸や酸素の状態を測る検査に対応しています。装置を貸し出し、いつもどおり自宅で眠っていただくだけです。
検査の結果、必要と判断されれば、より詳しい検査へ進みます。
治療
無呼吸の程度によりますが、代表的な治療がCPAP(シーパップ)——眠っている間、鼻からマスクで空気を送り、気道が塞がらないようにする方法です。当院ではCPAP治療にも対応しています。
「マスクをつけて眠るなんて無理」と思われるかもしれません。ですが、治療が合った方の反応は、しばしば劇的です。「何年ぶりかで、朝すっきり起きられた」「日中の眠気が嘘のように消えた」——本来の眠りを取り戻すと、こうなるのかと、本人が驚かれます。
加えて、減量、横向きで寝る、飲酒を控える(アルコールは喉の筋肉を緩め、無呼吸を悪化させます)といった生活面の対策も並行します。
不眠症と無呼吸、両方あるとき
実は、両方を併せ持つ方もいます。無呼吸で眠りが分断されているうえに、寝つきも悪い、という形です。
この場合、睡眠薬の扱いに注意が必要です。ベンゾジアゼピン系の睡眠薬には筋肉をゆるめる作用があり、喉の筋肉も緩めて、無呼吸を悪化させる可能性があります。「眠れないから」と睡眠薬を足していったら、かえって無呼吸がひどくなっていた——これは避けたい事態です。
だからこそ、睡眠薬を出す前に、無呼吸の有無を確認する。順番が大事なのです。
みなとメンタルクリニックは関内駅から徒歩2分、桜木町駅・馬車道駅から徒歩5分。横浜市中区を中心に、みなとみらいエリアからも通いやすい場所にあります。祝日以外は土日も診療しており、WEB予約は当日予約にも対応しています。「いびきくらいで」とためらわず、日中の眠気が気になるなら、一度ご相談ください。
よくある質問
太っていません。それでも無呼吸はありますか?
あります。肥満は代表的なリスク要因ですが、顎が小さい、下顎が後退している、扁桃が大きい、鼻が詰まりやすいといった骨格や構造の要因でも起こります。日本人は骨格的に、痩せていても無呼吸になりやすいと言われています。「太っていないから大丈夫」とは言えません。
一人暮らしで、いびきを指摘してくれる人がいません。
スマートフォンの録音アプリで、寝ている間の音を記録してみるのが手軽です。ただ、いびきがなくても無呼吸のことはありますし、逆もあります。決め手は日中の強い眠気です。会議中や運転中に抗いがたい眠気が来るなら、いびきの有無にかかわらず、検査を検討してください。
CPAPは一生続けるのですか?
根本原因(骨格、体重、気道の構造)が変わらなければ、治療は継続が基本です。ただ、減量によって改善する方もいますし、症状の程度によっては別の選択肢もあります。まずは検査で、いまの状態を正確に把握するところからです。
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監修:田邊 陽一郎(精神保健指定医・精神科専門医・日本医師会認定産業医・難病指定医)
医療法人鴻志会 みなとメンタルクリニック 理事長。秋田大学医学部卒業後、東北での精神科救急・被災地医療、神奈川での在宅医療を経て現職。うつ病・不安障害・睡眠障害・認知症などを中心に診療。