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2026/09/28

「気圧のせい」と思っていた不調が続くとき|天気が戻っても良くならない不調の見分け方と、症状別の相談先を横浜・関内の精神科医が解説

「台風が過ぎたのに、まだ頭が重い」「晴れの日が続いているのに、体のだるさが抜けない」「雨の日だけのはずだった気分の落ち込みが、最近はずっと続いている」。天気の不調とうまく付き合ってきた方ほど、こうした変化に気づきにくいことがあります。

気圧の変化による不調は、天気が戻れば少しずつ落ち着いていくのが特徴です。けれど、天気のせいだと思っていた不調の中に、別の病気が隠れていることもあります。「いつまで様子を見ていいのか」「どこに相談すればいいのか」が分からず、迷っている方も多いのではないでしょうか。

この記事は、気圧の変化で体調を崩すのはなぜ?|台風・低気圧の頭痛・だるさ・めまいと「気象病」の正体を横浜・関内の精神科医が解説から始まるシリーズの最終章です。これまでの章でお話ししてきた見分け方の目安を一つにまとめ、症状ごとにどこへ相談すればよいか、受診したら何をするのかを、横浜・関内のみなとメンタルクリニックの精神科医がお伝えします。

この記事の要点

  • 気圧の変化による不調かどうかは、「天気が戻ると体も戻るか」「どのくらい続いているか」「生活にどのくらい影響しているか」の三つの物差しで見分けることができます
  • だるさ以外の症状を伴うとき、症状が少しずつ強くなっているときは、天気とは別の原因を考える必要があります
  • 頭痛は頭痛外来や脳神経内科、めまいや耳の症状は耳鼻科、気分の落ち込みや不安、眠りの問題は心療内科・精神科が、主な相談先です
  • どこに相談すればよいか分からないときや、いくつもの症状が重なっているときは、心療内科・精神科で、全体をうかがったうえで適した診療科をご案内することもできます
  • 突然の激しい頭痛や、しびれ・ろれつが回らないなどを伴う症状は、天気とは関係なく、すぐに救急を受診してください

三つの物差しで振り返ってみましょう

気圧の変化による不調かどうかを見分けるために、シリーズを通してお伝えしてきた目安を、三つの物差しにまとめました。

物差し1:天気が戻ると、体も戻るか

気圧の変化による不調であれば、天気が回復して一日か二日すると、少しずつ楽になっていくことが多いです。

  • 台風が過ぎて晴れたのに、何日たっても良くならない
  • 晴れの日も、雨の日と同じようにつらい
  • 以前は天気の悪い日だけだったのに、今は天気に関係なく調子が悪い

こうした場合は、天気以外の原因が重なっている可能性があります。

物差し2:どのくらいの期間、続いているか

梅雨や秋雨の時期など、天気の悪い日が続けば、不調も長引くことはあります。ただ、次のような場合は、一度原因を確かめておくと安心です。

  • 気分の落ち込みや、何をしても楽しめない状態が、2週間以上ほとんど毎日続いている
  • だるさや眠気が、2週間以上ほとんど毎日続いている
  • ふわふわしためまいが、3か月以上続いている
  • 頭痛薬を月に10日以上使う状態が続いている

物差し3:生活にどのくらい影響しているか

天気の悪い日に少し調子が落ちる程度であれば、工夫しながら付き合っていくことができます。けれど、次のような状態になっている場合は、早めの相談をおすすめします。

  • 仕事や家事、学校を休む日が増えている
  • 遅刻や早退が増え、職場での立場が気になっている
  • 人と会う予定や、楽しみにしていたことを、あきらめることが増えた
  • 眠れない日や、食欲がない日が続いている
  • 天気予報を見るだけで不安になり、毎日が憂うつに感じる

こんな変化を伴うときは、天気とは別の原因を考えます

気圧の変化による不調と似た症状でも、次のような変化を伴う場合は、体やこころの別の病気が隠れていることがあります。

  • 症状が、だんだん強くなっている、回数が増えている
  • いつもの不調と、感じ方がちがう
  • 体重が急に増えた、または減った
  • むくみや寒がり、息切れ、動悸が気になる
  • いびきが大きい、寝ているあいだに呼吸が止まっていると言われる
  • めまいに、耳鳴りや聞こえにくさが伴う
  • 50歳を過ぎてから、初めて頭痛が起きるようになった

「天気のせいだと思っていたら、別の病気が見つかった」ということは、決して珍しくありません。早めに確かめておくことで、合った治療につながり、安心して天気と付き合えるようになります。

すぐに救急を受診していただきたいとき

次のような症状は、天気とは関係なく、命に関わる病気の可能性があります。ためらわずに救急を受診してください。

  • 突然、経験したことのないような激しい頭痛が起きた
  • 手足のしびれや力が入らない、ろれつが回らない、顔がゆがむ
  • ものが二重に見える、視野が欠ける
  • 支えがないと立てない、まっすぐ歩けない
  • 高い熱や首の強いこわばりを伴う頭痛がある
  • 意識が遠のく

症状別の相談先

気圧の変化による不調は、体のさまざまな場所に現れるため、「何科に行けばいいのか」で迷いやすいものです。症状ごとの主な相談先をまとめました。

頭痛が中心のとき

主な相談先:頭痛外来、脳神経内科

  • ずきずき脈打つ頭痛で、吐き気や光・音のまぶしさを伴う(片頭痛の可能性)
  • 頭痛の回数が増えている、頭痛薬が効きにくくなっている
  • 頭痛薬を月に10日以上使っている

頭痛に加えて、気分の落ち込みや不安、眠れないといった不調が重なっている場合は、心療内科・精神科でもご相談いただけます。くわしくは第1章でお話ししています。

だるさ・眠気が中心のとき

主な相談先:内科、心療内科・精神科

  • むくみや寒がり、息切れ、動悸、体重の変化を伴う(内科で、甲状腺の病気や貧血などを確かめます)
  • いびきや呼吸の止まりを指摘されている(内科や睡眠の専門外来で、睡眠時無呼吸症候群を確かめます)
  • 気分の落ち込みや、何をしても楽しめない状態を伴う(心療内科・精神科へ)

くわしくは第2章でお話ししています。

めまい・耳の症状が中心のとき

主な相談先:耳鼻科

  • ぐるぐる回るめまいに、耳鳴りや聞こえにくさが伴い、くり返す
  • 急に片方の耳が聞こえにくくなった(できるだけ早く受診してください)
  • 頭を動かしたときに、ぐるっと回るめまいが起きる

耳鼻科で異常がなかったものの、ふわふわしためまいが続いている場合や、めまいへの不安で外出を避けるようになった場合は、心療内科・精神科にご相談ください。くわしくは第3章でお話ししています。

気分の落ち込み・不安が中心のとき

主な相談先:心療内科・精神科

  • 天気が回復しても、気分の落ち込みが戻らない
  • 2週間以上、気分の落ち込みや何をしても楽しめない状態が続いている
  • 天気と関係なく、不安で落ち着かない日が続いている
  • 突然の強い不安とともに、動悸や息苦しさ、めまいが押し寄せることがある

くわしくは第4章でお話ししています。気分の落ち込みが続くときの見分け方は、当院の気分の落ち込みが続く——「ただの落ち込み」と「受診すべきうつ」の境界線でも解説しています。

いくつもの症状が重なっている、どこに行けばいいか分からないとき

主な相談先:心療内科・精神科

頭痛もだるさもめまいも、気分の落ち込みもある、という方も少なくありません。いくつもの症状が重なっているときは、自律神経の乱れや、ストレス、睡眠の問題が、全体の土台にあることがあります。心療内科・精神科では、全体をうかがったうえで、必要に応じて適した診療科をご案内することもできます。自律神経の不調について全体を知りたい方は、自律神経失調症とは?症状・原因・受診の目安を横浜・関内の精神科医が解説もあわせてご覧ください。

「天気のせい」と思い続けてしまう理由

天気の不調と長く付き合ってきた方ほど、受診のタイミングを逃しやすいことがあります。そこには、いくつかの理由があります。

「いつものこと」だと思ってしまう

毎年、毎回のことなので、少しずつ不調が強くなっていても、「いつもの天気のせい」と感じてしまいます。変化がゆっくりであるほど、気づきにくくなります。

「天気のせいなら、病院に行っても仕方ない」と思ってしまう

気象病は正式な病名ではないため、「病院に行っても何もしてもらえないのでは」と感じる方もいらっしゃいます。けれど、天気で出やすい頭痛やめまい、気分の不調には、それぞれ合った治療があります。背景にある状態を見きわめることで、つらさを和らげられることは少なくありません。

「天気のせい」と考えると、少し楽になる

気分の落ち込みやだるさを「天気のせい」と考えることは、自分を責めすぎないための、大切な心の支えにもなります。その支えは、無理に手放さなくて大丈夫です。ただ、その考え方が、つらさが続いているときの受診を遅らせてしまうこともあります。「天気のせいかもしれないけれど、念のため確かめておこう」くらいの気持ちで、相談していただければと思います。

受診するときに、あると役立つもの

受診の前に、次のようなものを用意しておくと、症状を正確にお伝えしやすくなります。すべてそろっていなくても大丈夫です。

  • 症状と天気の記録:不調が出た日と時間、どんな症状だったか、そのときの天気、睡眠の様子などを簡単にメモしたもの。スマートフォンのメモでも構いません
  • 使っているお薬の情報:お薬手帳や、市販の頭痛薬などの名前と、使っている回数
  • ほかの医療機関での検査結果:耳鼻科や内科で受けた検査の結果、健康診断の結果など
  • 困っていること:仕事や家事、生活の中で、いちばん困っていること

「うまく話せるか不安」という方は、メモを見せていただくだけでも構いません。初診の流れについては、当院の横浜関内で心療内科を当日予約したい方へ|今日つらいときの受診目安と初診の流れでくわしくご案内しています。

心療内科・精神科では、どんなことをするのか

お話をうかがう

まず、不調がいつから、どんなときに、どのように出るのか、天気との関係、眠りや食欲、気分の様子、仕事や生活への影響などを、ていねいにうかがいます。

体の病気が隠れていないかを確かめる

だるさや気分の落ち込みは、甲状腺の病気や貧血など、体の病気で起きることもあります。必要に応じて、血液検査などで体の状態を確かめたり、内科や耳鼻科、頭痛外来など、適した医療機関をご案内したりします。

こころと自律神経の状態を見きわめる

天気の影響が中心なのか、うつ病や不安の病気、自律神経の乱れ、睡眠の問題が背景にあるのかを、ご一緒に見きわめていきます。

治療をご一緒に考える

生活リズムの整え方や、天気が崩れる日の備え方をご一緒に考えることから始め、必要に応じて、漢方薬を含めたお薬による治療や、カウンセリング的アプローチを組み合わせていきます。天気とうまく付き合いながら、生活への影響を小さくしていくことを目指します。

仕事への影響が大きいときは

天気の悪い日のたびに休むことが増え、仕事を続けることに不安を感じている方もいらっしゃると思います。まずは不調の原因を確かめ、治療を始めることが大切です。そのうえで必要があれば、働き方について職場や産業医と相談する方法もあります。

仕事を休むべきか迷っている方は、当院の仕事を休むべきか迷ったとき、心療内科で相談できること|産業医が解説もあわせてご覧ください。働きながら通院を続ける工夫については、働きながら精神科・心療内科に通うには?会社に知られず治療を続けるコツを横浜・関内の精神科医が解説でお話ししています。

みなとメンタルクリニックへのご相談

みなとメンタルクリニックは関内駅からすぐの場所にあり、横浜市中区を中心に、馬車道・桜木町・みなとみらいエリアからも通っていただきやすい立地です。土日も診療しており、当日のご予約にも対応しています。会社帰りの受診については、会社帰りに通える心療内科をお探しの方へ|横浜・関内で夜間・土日も診療、当日予約に対応もご覧ください。

「天気のせいだと思うけれど、念のため確かめておきたい」「どこに相談すればいいか分からない」という段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。天気とうまく付き合っていくための方法を、ご一緒に考えていきましょう。

このシリーズの記事(気圧の変化による不調)

シリーズを最初から読む方は、ピラー記事「気圧の変化で体調を崩すのはなぜ?」からどうぞ。

よくあるご質問

気圧の不調で心療内科を受診してもいいのでしょうか?

はい、ご相談いただけます。気圧の変化による不調は、自律神経や睡眠、不安と深く関わっているため、心療内科・精神科で扱う内容です。体の病気が隠れている可能性があるときは、適した診療科をご案内します。

どのくらい様子を見てから受診すればいいですか?

天気が回復して一日か二日たっても良くならない場合、気分の落ち込みやだるさが2週間以上ほとんど毎日続いている場合、生活に支障が出ている場合は、受診をおすすめします。突然の激しい頭痛や、しびれ、ろれつが回らないなどの症状があるときは、すぐに救急を受診してください。

何を話せばいいか分かりません。

うまく話そうとしなくても大丈夫です。「天気が悪い日に調子が悪い」「最近は晴れの日もつらい」など、感じていることをそのままお話しください。症状と天気のメモがあれば、見せていただくだけでも構いません。

当日の予約はできますか?

はい、当日のご予約にも対応しています。土日も診療していますので、平日にお休みが取りにくい方も、どうぞご相談ください。

すぐに受診できないときの相談先

気持ちのつらさが強く、すぐに受診するのが難しいときは、次のような公的な相談窓口もあります。一人で抱え込まず、話せる場所を頼ってみてください。

  • こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(お住まいの地域の相談窓口につながります)
  • まもろうよ こころ(厚生労働省):電話やSNSで相談できる窓口がまとめられています

関連ページ

参考にした主な資料

  • DSM-5-TR(アメリカ精神医学会):うつ病の診断基準(2週間以上の持続)
  • 国際頭痛分類 第3版(ICHD-3):薬剤の使用過多による頭痛
  • Staab JP, et al. Diagnostic criteria for persistent postural-perceptual dizziness (PPPD): Consensus document of the Bárány Society. Journal of Vestibular Research, 2017.
  • 日本聴覚医学会:急性感音難聴診療の手引き
  • 厚生労働省:健康づくりのための睡眠ガイド2023

この記事の監修者

田邊 陽一郎(精神保健指定医・精神科専門医・日本医師会認定産業医・難病指定医)
医療法人鴻志会 みなとメンタルクリニック 理事長。秋田大学医学部卒業後、東北での精神科救急・被災地医療、神奈川での在宅医療を経て、現職。うつ病・不安障害・睡眠障害・認知症などを中心に診療。

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