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2026/07/22

夏休み・お盆明けが憂うつで動けない|長期休暇明けの不調の理由と対処を横浜・関内の精神科医が解説

楽しかったお盆休みが終わり、明日から仕事。そう思った日曜の夜、急に気持ちが重くなる。

連休最終日の夕方あたりから、胸のあたりがざわつく。休み明けの朝、布団から出られない。会社に向かおうとすると、お腹が痛くなったり、吐き気がしたりする。

長い休みのあとに、こうした不調が出る方は少なくありません。「サザエさん症候群」や「五月病」という言葉で語られることもありますが、その中身は、休暇明けに心と体が環境の変化についていけなくなった状態です。このページでは、横浜市中区・関内のみなとメンタルクリニックが「夏のメンタル不調」ガイドの一記事として、なぜ長い休み明けに動けなくなるのか、その理由と対処を精神科医の立場から説明します。夏の不調全体の見取り図は夏に心と体が不調になるのはなぜ?をご覧ください。


休み明けがつらい方へ
みなとメンタルクリニックは関内駅から徒歩2分(桜木町駅・馬車道駅から徒歩5分)。祝日以外は土日も診療しており、当日予約にも対応しています。「休み明けにどうしても動けない」というご相談も歓迎しています。
WEB予約はこちら(当日予約可)/初めての方は初診の方へをご覧ください。


なぜ、長い休みのあとに動けなくなるのか

お盆や年末年始のような長期休暇のあとに不調が出るのには、いくつかの理由が重なっています。単なる「気のゆるみ」ではありません。

生活リズムが、ずれてしまう

休みのあいだは、つい夜更かしをし、朝もゆっくり起きる。昼寝をして、食事の時間も普段とずれる。こうして数日を過ごすうちに、体内時計は後ろへずれていきます。

私たちの体には、およそ24時間の周期で睡眠や体温、ホルモン分泌を調整する体内時計が備わっています。この時計は、毎朝の光と、規則正しい生活によって微調整されています。休暇でその手がかりが失われると、時計は簡単にずれます。そして、ずれた時計を仕事のリズムに戻すには、数日から場合によっては一週間ほどかかります。休み明けの朝に起きられないのは、体内時計がまだ仕事モードに戻りきっていない、という面が大きいのです。

自律神経の、切り替えが追いつかない

休暇中のリラックスした状態では、体を休息させる副交感神経が優位になっています。ところが仕事が始まると、活動と緊張を担う交感神経へ、急に切り替えが求められます。

このモードの切り替えが、すぐにはうまくいきません。切り替えの途中で自律神経が乱れると、だるさ、頭痛、めまい、動悸、胃腸の不調といった体の症状が出てきます。休み明けの体調不良には、この自律神経の乱れが関わっています。

「現実」に引き戻される、心の落差

そして、生理的な要因だけでなく、心理的な落差も無視できません。

休暇という楽しい時間から、仕事という現実へ戻る。その落差が大きいほど、気持ちの切り替えは難しくなります。とりわけ、もともと仕事に強いストレスを抱えている場合、休みで一度そのストレスから離れたぶん、戻ることへの抵抗が強く出ます。「休むと、かえって行きたくなくなる」という感覚は、ここから生まれます。


多くは一時的。でも、そうでないこともある

休み明けの不調の多くは、数日から一週間ほどで、生活リズムが仕事に戻るとともに、自然とやわらいでいきます。ここまでは、いわば正常な反応の範囲です。

問題は、それが続く場合です。一週間、二週間と経っても、朝起きられない、気分が晴れない、体調不良が抜けない。こうなってくると、単なる「休みボケ」では説明がつきません。その背景に、適応障害やうつ病が隠れていることがあります。

とくに注意したいのは、もともと抱えていた仕事のストレスが、休暇によって一時的に見えなくなっていただけのケースです。休みで症状が軽くなっていたのが、仕事に戻った瞬間に一気に噴き出す。この場合、問題は「休み明け」そのものではなく、その手前からあった職場のストレスにあります。

ストレス因がはっきりしていて、そこから離れると楽になり、近づくとつらくなる。この形は、適応障害の典型的なパターンです。詳しくは適応障害とは?仕事のストレスで起こる心と体の不調をご覧ください。休み明けに限らず、日曜の夜になると憂うつになる状態が毎週続いているなら、それも見過ごさないほうがよいサインです。


「行けない」が続くなら、それは意志の問題ではない

ここは、精神科医として強くお伝えしたいところです。

休み明けに、頭では「行かなければ」と思っているのに、体が動かない。玄関で足がすくむ。駅まで来て、電車に乗れない。こうした状態は、気合いや根性で解決するものではありません。体が、その環境を負担と判断して、防衛反応を起こしている状態だからです。

この段階で「自分は怠けている」「甘えているだけだ」と自分を責めてしまう方が多いのですが、それは逆です。怠けている人は、行けない自分に苦しんだりしません。苦しんでいること自体が、真面目に向き合ってきた証でもあります。仕事に行けない状態が続くときの考え方については、仕事に行けない・行きたくないのは適応障害のサインかもで詳しく取り上げています。

もし「消えてしまいたい」といった気持ちが出ているなら、症状の程度に関わらず、我慢せず頼ってください。夜間や休診日など、すぐの受診が難しいときは、厚生労働省「まもろうよ こころ」に電話やSNSで相談できる公的な窓口がまとめられています。よりそいホットライン(0120-279-338、24時間・通話料無料)も、どんな内容でも受け付けています。


休み明けを、少しでも楽にするために

休暇明けの不調は、いくつかの工夫で、かなりやわらげることができます。ポイントは、休みと仕事のあいだの落差を、できるだけなだらかにすることです。

休暇中も、起きる時間だけは大きくずらさない。寝る時間が多少遅くなるのは構いませんが、起床時刻が普段と大きくずれると、体内時計が後ろにずれていきます。朝、いったん起きて光を浴びておくだけでも、時計のずれはかなり防げます。

連休の最終日に、予定を詰め込みすぎない。最終日まで遊びきって、その勢いで仕事に突入すると、落差が最大になります。最終日は少しペースを落とし、翌日に向けて心と体を慣らす時間にあてると、切り替えが楽になります。

復帰初日を、いきなり全開にしない。休み明けの初日から難しい仕事や重要な予定を入れず、メールの確認や軽い作業から始められるよう、あらかじめ組んでおきます。「初日はウォーミングアップ」と決めておくだけで、心の負担は違ってきます。

戻ったあとの、小さな楽しみを用意しておく。仕事のあとに好きなものを食べる、週末に予定を入れておくなど、ささやかでも先の楽しみがあると、現実への戻りがやわらぎます。

こうした工夫を試してもつらさが抜けないとき、あるいは毎回の長期休暇のたびにくり返してしまうときは、一度ご相談ください。とくに、休み明けの不調が一過性で終わらず、そのまま仕事を休みがちになっているなら、早めに相談したほうが回復も早くなります。

みなとメンタルクリニックは関内駅から徒歩2分、桜木町駅・馬車道駅から徒歩5分。横浜市中区・関内を中心に、馬車道・桜木町・みなとみらいエリアからもお越しいただけます。祝日以外は毎日診療しており、当日のご予約にも対応しています(枠の状況によります)。女性医師も在籍しています。

WEB予約はこちら(当日予約可)よくある質問


よくある質問

休み明けが憂うつなのは、誰にでもあることでは?

おっしゃるとおり、休み明けに気持ちが重くなること自体は、多くの人が経験する自然な反応です。数日で戻るなら、心配は要りません。見極めのポイントは、それが一週間以上続くか、生活に支障が出るほど強いか、そして毎回くり返すか、です。あてはまるようなら、一度ご相談ください。

お盆明けに、体調不良で会社を休んでしまいました。受診できますか?

できます。当院は当日予約に対応しています。「休み明けに、どうしても行けなかった」——その日のうちにご相談いただくのがよいと思います。症状が新しいうちに、状態を正確にお伝えいただけます。

休み中は元気なのに、仕事に戻ると調子が悪くなります。

その落差自体が、大切な手がかりです。ストレス因から離れると楽になり、近づくとつらくなる、という反応は、適応障害でよくみられるパターンです。「休むと元気だから、自分は甘えているのでは」と考える必要はありません。むしろ、原因がはっきりしているという見方ができます。

毎年、大型連休の明けに調子を崩します。何か対策はありますか?

毎回くり返すなら、休暇中の生活リズムの保ち方や、復帰の仕方を工夫することで、負担を減らせる可能性があります。それでも改善しない、あるいは年々つらくなっているようなら、背景に別の要因がないかを確認する意味でも、一度ご相談いただくことをおすすめします。


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総合ガイド:夏に心と体が不調になるのはなぜ?|夏バテ・夏うつ・夏の不眠・冷房病

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参考文献・情報源

  • 厚生労働省|e-ヘルスネット「体内時計」「睡眠と生活リズム」
  • 厚生労働省|こころの病気について知る(適応障害・気分障害)
  • 厚生労働省|まもろうよ こころ 相談窓口一覧
  • DSM-5-TR(アメリカ精神医学会)/ICD-11(世界保健機関)

この記事の監修者
田邊 陽一郎(精神保健指定医・精神科専門医・日本医師会認定産業医・難病指定医)/医療法人鴻志会 みなとメンタルクリニック 理事長。秋田大学医学部卒業後、東北での精神科救急・被災地医療、神奈川での在宅医療を経て現職。うつ病・不安症・睡眠障害・認知症などを中心に診療しています。詳しくは田邊陽一郎の理事長プロフィールをご覧ください。