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2026/07/07

休職と診断書|もらい方・休職中のお金・復帰の流れを横浜・関内の精神科医が解説

「もう限界だ、休みたい」。そう思いながらも、いざとなると足がすくむ。どう切り出せばいいのか、そもそも自分は休んでいい状態なのか、休んだあと生活はどうなるのか——考えれば考えるほど、動けなくなってしまう。心身をすり減らしながら働きつづけている方が休職を意識しはじめたとき、たいていはこうした問いの前で立ちすくみます。

はじめにお伝えしておきたいことがあります。休職は、逃げでも甘えでもありません。限界まで働いてきた心と体を回復させるための、まっとうな治療のひとつです。そして、その入り口になるのが、医師が書く診断書です。このページでは、休職とはそもそも何なのか、診断書はどうやって手にするのか、休んでいるあいだのお金はどうなるのか、そして復帰までにどんな道のりをたどるのかを、横浜市中区・関内のみなとメンタルクリニックの精神科医が、順を追ってお話しします。

「休みたいけれど、何から手をつければいいのかわからない」。そんな段階の方にこそ、読んでいただきたい内容です。

「読むより先に、まず相談したい」という方へ。当院は関内駅から徒歩2分、土日も診療しており、当日のご予約も承っています。WEB予約はこちら、お電話は045-663-5925(診療時間内)へどうぞ。

休職は「逃げ」ではなく「治療」です

まず、いちばん大切なことから。休職は、後ろ向きな選択ではありません。

心身の不調というのは、その原因になっている環境のなかに身を置きつづけるかぎり、なかなか良くなってくれません。ストレスの源にさらされたまま治そうとするのは、傷口をこすりながら治そうとするようなもの。だからこそ、いったんその場から離れて、心と体をしっかり休ませることが要る。これは気休めではなく、回復のために医学的に必要な手立てであり、れっきとした治療なのです。

とはいえ、「休めば同僚に迷惑がかかる」「戻ったときに居場所を失うのでは」という不安は、なかなか消えるものではありません。よくわかります。ただ、ここで無理を押し通して本格的なうつ病にまで進んでしまえば、回復には何か月、ときには年単位の時間がかかることもあります。そうなれば、かえって長く職場を離れることになりかねません。まだ軽いうちに、適切な時期にしっかり休む。遠回りに見えて、それが結局はいちばん確かな近道です。

診断書とは何か

休職をするには、多くの場合、医師の作成する診断書が必要になります。診断書とは、簡単に言えば、その方が病気の状態にあり、療養(休養)を必要としていることを、医師が証明する書類です。

そこには、病名——たとえば「適応障害」や「うつ病」といったもの——と、「◯か月間の休養を要する」といった内容が記されます。会社は、これを受け取って、休職を認めるかどうかを判断します。つまり診断書は、「あなたはいま、休む必要のある状態にあります」ということを、医療の立場から会社に正式に伝えるための書類なのです。

なお、そこに書かれる病名は、あくまで療養が必要だという事実を示すためのものです。「病名がつく」ということに抵抗を感じる方は少なくありませんが、それは回復に向けた手続きの一部にすぎず、あなたに一生つきまとうレッテルのようなものではありません。どうか、そこで身構えないでください。

診断書は、どうやってもらうのか

診断書を受け取るまでの流れは、大きく次のようになります。

はじめに、精神科・心療内科を受診します。そこで、いまどんな症状があるのか、仕事はどういう状況なのか、どれほどつらいのかを、医師に話していただきます。医師は、その話と診察から、休養が必要な状態かどうかを見きわめます。そして、休養が必要だと判断されれば、その場で、あるいは後日、診断書を作成します。

「診断書がほしいのですが」と、ご自分から切り出していただいてかまいません。むしろ、休職を考えているということを最初に伝えていただくと、話がスムーズに運びます。「こんなことで診断書をお願いしていいのだろうか」と遠慮する必要はありません。つらくて働けない——その事実を、どうか率直にお話しください。

ひとつだけ補足しておくと、診断書は、医師が診察してあなたの状態を確かめたうえで書くものです。受診せずに書類だけを受け取る、ということはできません。まずは一度、ご相談にいらしてください。

「休むほどではないかもしれない」と迷う方へ

休職を考えるくらいつらいのに、いざその段になると、「自分なんかが休んでいいのか」「もう少しは頑張れるんじゃないか」とためらってしまう。まじめな方ほど、この迷いに足を取られます。

見きわめの目安は、そう複雑ではありません。朝、起きて仕事へ向かうのが、つらくてたまらない。職場のことを思うと涙がにじむ、動悸がする。眠れない、食べられない日がつづいている。仕事に集中できず、ミスが増えてきた。こうしたことに心当たりがあるなら、それはもう「休むほどではない」どころか、心と体が休養を求めている状態です。会社に行けない、涙が出るといった状態については、会社に行けない・涙が出るのは甘えではありませんのページでもお話ししています。

休むかどうかを、一人で決めなくて大丈夫です。それを一緒に見きわめるのが、私たち医師の仕事です。迷っているなら、その迷いをそのまま、診察に持ってきてください。

休職中のお金はどうなるのか

休職を考えるとき、多くの方が真っ先に気にかけるのが、お金のことです。「休んでいるあいだ、暮らしはどうなるのか」。これは、きれいごとでは済まない、切実な問題です。

会社を休んで給与が出ない場合でも、一定の条件を満たせば、健康保険から傷病手当金という給付を受けられることがあります。これは、病気やけがで働けないあいだの生活を支えるための制度で、おおよそ給与の3分の2にあたる額が、最長で1年6か月にわたって支給されます。この制度を知っているかどうかで、休養に踏み出せるかどうかが大きく変わってきます。しくみや申請の進め方は、休職中のお金|傷病手当金のしくみと申請の流れでくわしく解説しています。お金の心配で休養そのものをあきらめてしまわずにすむよう、制度の面からもお手伝いします。

休職してから復帰までの流れ

休職は、ただ休めばそれで完了、というものではありません。おおまかに言えば、いくつかの段階を踏みながら回復していきます。

はじめのうちは、とにかく休むことだけを考えます。この時期は「何かしていないと」という焦りが顔を出しがちですが、まずは心と体を休ませることが何より優先されます。しっかり休んでいくうちに、少しずつ気力や体力が戻ってきます。この回復の途中では、必要に応じてお薬も使いながら、睡眠や生活のリズムを立て直していきます。眠りが戻らないことが回復の妨げになっている方は、不眠・睡眠障害とはもご覧ください。

そのうちに、日中の活動が少しずつできるようになり、気持ちにも余白が生まれてきます。復帰が見えてきたら、生活のリズムを仕事に向けて整え直し、主治医と相談しながら、いつ戻るか、戻ったあとどう働くか(仕事の量や内容の調整など)を考えていきます。ここで焦って早く戻りすぎると、せっかくの回復がぶり返してしまうことがあるので、この見きわめがとても大切になります。

必要な休養の長さも、回復の速さも、人によってまるで違います。ほかの誰かと比べる必要はありません。その方のペースで、無理のない復帰を目指していきます。

復帰か、それとも環境を変えるか

休養して回復に向かうなかで、「もとの職場に戻るべきなのか」「それとも、環境そのものを変えたほうがいいのか」と、思い悩む方もいます。

とりわけ、不調の引き金が職場のハラスメントや、過重な仕事、こじれた人間関係にある場合、同じ場所に戻れば、また同じことがくり返されかねません。こうしたときには、復帰にあたって職場に環境の改善を求める、部署を替えてもらう、あるいは転職する、といった選択肢まで視野に入れて考えていく必要があります。ハラスメントが背景にある場合は、職場のハラスメントによる心の不調のページを、上司のパワハラが引き金の場合はパワハラ上司への対処法より大切な「心の限界サイン」もあわせてご覧ください。

どの道を選ぶにしても、いちばんに置くべきは、あなた自身の健康です。一人で抱え込まず、これから先の方向を、診察のなかで一緒に整理していきましょう。

横浜・関内で休職・診断書について相談したい方へ

「もう休みたい」「診断書がほしいけれど、どうすればいいのかわからない」「休職中のお金が心配」「ちゃんと復帰できるだろうか」——そうしたお悩みは、どうか一人で抱え込まず、まずはご相談ください。みなとメンタルクリニックは、横浜市中区・関内駅から徒歩2分の精神科・心療内科クリニックです。関内・馬車道はオフィスの多い街で、お仕事帰りにも立ち寄りやすい場所にあります。土日も診療し、当日のご予約にも対応しています。産業医としての視点も持つ医師が、お一人おひとりの事情をうかがいながら、診断書の作成、休職のご相談、制度の案内、そして復帰までの道のりをお手伝いします。

休むことは、回復のための大事な一歩です。早めにご相談いただくことが、こじらせずにすむ近道になります。受診をご希望の方は、WEB予約はこちらからご予約ください。初めて受診される方は初診の方へ、受診前に気になることがある方はよくある質問もあわせてご覧ください。


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連載の最終回は、ハラスメントのなかでも相談の多い「パワハラ上司」を取り上げます。接し方の工夫には限界があること、そして本当に目を向けるべき「心の限界サイン」について、お話しして連載を締めくくります。

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「職場のストレス・ハラスメント」シリーズ(全4回)


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参考文献・情報源

本記事の内容は、休職・傷病手当金とメンタルヘルスに関する以下の資料を参考にしています。

  • 厚生労働省|こころの健康・こころの病気に関する情報
  • 厚生労働省|こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)
  • 全国健康保険協会(協会けんぽ)|傷病手当金に関する情報
  • DSM-5-TR|アメリカ精神医学会による精神疾患の診断基準(適応障害・うつ病を含む)
  • ICD-11|世界保健機関による国際疾病分類

この記事の監修者

田邊 陽一郎(精神保健指定医・精神科専門医・日本医師会認定産業医・難病指定医)
医療法人鴻志会 みなとメンタルクリニック 理事長。秋田大学医学部卒業後、東北での精神科救急・被災地医療、神奈川での在宅医療を経て、現職。うつ病・不安障害・睡眠障害・認知症などを中心に診療。

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