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2026/10/03

休むと同僚に迷惑がかかる、と悩んでいる方へ|無理して出勤し続けることの影響をデータから横浜・関内の精神科医(産業医)が解説

自分が休んだら、その分の仕事は誰かが引き受けることになる。ただでさえ忙しいチームに、これ以上負担をかけたくない。だから、つらくても休めない。

休むことをためらう理由として、診察室でいちばんよくうかがうのがこの気持ちです。周りを思いやれる方ほど、この迷いは深くなります。

この記事では、横浜市中区・関内で精神科・心療内科を診療し、産業医として職場にも関わる立場から、「同僚に迷惑をかけたくない」という気持ちとどう向き合えばよいかを、データも交えてお伝えします。休むことへの迷い全体については「この程度で休んでいいの?」と迷っている方へ(leave-hesitation)でまとめています。

ご予約・ご相談:WEB予約はこちら(当日予約に対応しています)/お電話 045-663-5925。関内駅すぐ、土日も診療しています。


「迷惑をかけたくない」は、責任感の表れです

まずお伝えしたいのは、この気持ちは決して悪いものではないということです。同僚を思いやり、仕事に責任を持っているからこそ生まれる気持ちです。

ただ、その責任感が強いほど、ご自分の不調を後回しにしてしまいやすくなります。そして、不調を抱えたまま働き続けることが、本当に周りのためになっているのかどうかは、一度立ち止まって考えてみる価値があります。

無理をして出勤することの「見えにくい影響」

体調が悪いまま出勤し、本来の力を発揮できていない状態を「プレゼンティーイズム」と呼びます。これに対して、病気で仕事を休むことは「アブセンティーイズム」と呼ばれます。

どちらが職場にとって影響が大きいのかについては、国内でも調べられています。

  • ニッセイ基礎研究所のレポートで紹介されている東京大学の試算(2016年公表)では、企業の健康に関わる損失のうち、欠勤によるものは4.4%にとどまり、出勤しながらの不調によるものが約8割を占めていました。
  • 協会けんぽ広島支部の資料で紹介されている、東京大学と横浜市が中小企業を対象に行った調査でも、体調不良による損失の9割以上が、出勤しながらの不調によるものと推計されています。

もちろん、これは会社全体を見たときの数字で、お一人おひとりに当てはまるわけではありません。それでも、「休まずに出勤していれば周りに迷惑をかけていない」とは、データの上でも言えないことが分かります。

不調を抱えたまま働くと、何が起きやすいのか

心の不調があると、次のようなことが起こりやすくなります。

  • 集中が続かず、同じ作業に時間がかかる
  • 確認もれや思い違いによるミスが増える
  • 判断に迷い、決められないことが増える
  • 人と話すのがおっくうになり、報告や相談が遅れる
  • イライラしやすくなり、やりとりがぎくしゃくする

これらはご本人の能力や努力の問題ではなく、疲れや不調による一時的な変化です。けれども、その状態が長く続くと、ミスのフォローや確認のやり直しといった形で、結果的に周りの負担が増えていることもあります。

そして、無理を重ねるほど回復に時間がかかりやすくなります。早めに休めば短く済んだかもしれないものが、長い休養を必要とするところまで進んでしまうと、ご本人にとっても職場にとっても、かえって大きな負担になります。

「迷惑をかけない」ための、もうひとつの考え方

産業医として職場を見ていると、早めに相談して体を整えた方のほうが、結果的に職場への影響も小さく済んでいることが少なくありません。

「休まないこと」が周りへの配慮だと考えがちですが、早めに相談して、長引かせないことも、立派な周りへの配慮です。考え方の向きを、少しだけ変えてみてください。

  • 早めの相談なら、業務の調整や通院しながら働くといった選択肢を取りやすい
  • 休むことになっても、引き継ぎを整える時間を持ちやすい
  • 回復が穏やかになれば、職場に戻ったあとも安定して働きやすい

休職だけでなく、その手前にある選択肢については休むか、働き続けるかの二択で悩んでいる方へ(short-rest-option)でご紹介しています。

仕事の穴は、組織が埋めるものです

少し視点を変えてみます。病気やけが、家族の事情などで誰かが休むことは、どの職場でも起こりえます。そのときに仕事をどう回すかを考えるのは、本来は会社や管理職の役割です。

あなたが休むことで生じる仕事の調整は、あなたひとりが背負うものではありません。もし同僚が同じように体調を崩していたら、あなたはきっと「無理しないで休んで」と声をかけるのではないでしょうか。その言葉を、ご自分にも向けてあげてください。

職場への伝え方が不安な方へ

「休むことになったら、上司にどう伝えればいいのか」という不安も、休むことをためらわせる理由になります。

伝える内容や範囲は、診察のなかで一緒に考えることができます。病名をどこまで伝えるか、診断書に何を書くかについても、ご本人の意向をうかがいながら進めます。眠れなさが中心の方は不眠で休みたいと会社にどう伝える?(insomnia-telling-company)もご参考になると思います。

横浜・関内でご相談いただけます

みなとメンタルクリニックは関内駅からすぐの場所にあり、馬車道・桜木町・みなとみらい方面からもお越しいただけます。土日も診療しており、当日予約にも対応していますので、仕事を休まずに受診したい方もご相談ください。

ご予約・ご相談:WEB予約はこちら/お電話 045-663-5925


よくあるご質問

繁忙期が終わるまで待ってから受診したほうがよいでしょうか

繁忙期が終わるのを待つあいだに、不調が進んでしまうこともあります。受診したからといって、すぐに休む必要があるとは限りません。まずは相談だけでも、早めにしていただくことをおすすめします。

チームの人数が少なく、自分が抜けると本当に回りません

そのような職場は少なくありません。だからこそ、早めに相談して、業務量の調整や引き継ぎの準備ができるうちに手を打つことが大切です。職場にどう働きかけるかも、一緒に考えます。

休むことを同僚にどう思われるかが気になります

そう感じるのは自然なことです。何をどこまで伝えるかは、ご本人が決めてよいことです。伝え方に迷ったら、診察のなかでご相談ください。

当日に受診できますか

可能です。当院は当日予約に対応しています。土日の診療もありますので、平日にお時間が取りにくい方もご相談ください。


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この記事の監修者

田邊 陽一郎(精神保健指定医・精神科専門医・日本医師会認定産業医・難病指定医)

医療法人鴻志会 みなとメンタルクリニック 理事長。秋田大学医学部卒業後、東北での精神科救急・被災地医療、神奈川での在宅医療を経て、現職。うつ病・不安障害・睡眠障害・認知症などを中心に診療。

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