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2026/07/06

休んでも疲れが取れない・常に疲れている——その慢性的な疲労、心のSOSかもしれません【横浜・関内の精神科医が解説】

週末、たっぷり寝たはずなのに、月曜の朝からもう疲れている。有給を取って何もしない一日を過ごしても、体の芯のだるさが抜けない。栄養ドリンクを飲んでも、その場しのぎにしかならない。「休めば治る」と思っていたのに、いくら休んでも回復しない——。そんな状態が、何週間も、あるいは何か月も続いていませんか。

まずお伝えしたいことがあります。「休んでも取れない疲れ」は、体の疲れではなく、心のエネルギーが枯渇しているサインであることが少なくありません。そして、休養で回復しない疲労は、単なる疲れではなく、医療の対象になりうる状態です。このページでは、横浜・関内のみなとメンタルクリニックの精神科医が、慢性的な疲労の背景にあるもの、体の病気との見分け、そして回復への道筋について、順を追ってお話しします。疲れがなぜ回復しないのか、そのしくみを先に知りたい方は、休んでも休んでも、疲れがとれない理由もあわせてご覧ください。

「読むより先に、まず相談したい」という方へ。当院は関内駅から徒歩2分、土日も診療しており、当日のご予約も承っています。WEB予約はこちら、お電話は045-663-5925(診療時間内)へどうぞ。


「休めば治る疲れ」と「休んでも治らない疲れ」は、別ものです

通常の疲れは、睡眠や休息で回復します。これは、使ったエネルギーを補充すれば元に戻る、いわば「電池切れ」の状態です。ところが、休んでも回復しない疲れは、これとは仕組みが違います。充電しても、充電そのものがうまくできなくなっている状態——バッテリーが劣化して、満タンにしても持たない、あるいは充電が入っていかない、そういうイメージに近いのです。

なぜ、こうなるのか。慢性的なストレスや過労が続くと、心身を回復させる仕組みそのものが疲弊します。眠っても眠りが浅くて回復できない、休んでも頭が仕事のことから離れられず脳が休まらない、気持ちが晴れないから何をしても充電にならない——。こうして「休んでいるのに回復しない」というループにはまっていきます。ここで大切なのは、これはあなたの休み方が下手なのでも、気合いが足りないのでもないということです。回復の仕組みが弱っているのだから、休養の量を増やすだけでは戻らない。だからこそ、専門的な立て直しが必要になります。


休んでも取れない疲れの背景にあるもの

①うつ状態——「疲れ」が主役のうつもあります

うつというと「気分の落ち込み」を思い浮かべる方が多いのですが、実際には「気分の落ち込みより先に、強い疲労感や意欲の低下が前面に出る」タイプのうつが珍しくありません。とくに真面目に働いてきた方ほど、「気分が沈む」より「体が動かない」「何をするのも億劫」という形であらわれやすい傾向があります。「気分は落ち込んでいないから、うつではないはず」と考えて受診が遅れる方が多いのですが、休んでも取れない疲労は、それ自体がうつの中核症状のひとつです。あわせて、朝がとくにつらい・好きだったことに興味がわかない・寝つけない、または朝早く目が覚める、といった変化があれば、その可能性は高まります。うつ病そのものについてはうつ病とは?を、季節による気分の落ち込みは夏になると心も体もだるい——それは夏バテ?それとも「夏うつ」?もあわせてご覧ください。

②自律神経の乱れ

自律神経は、体を活動モードにする交感神経と、休息モードにする副交感神経のバランスで、心身の回復を調整しています。ストレスが続くと交感神経が過剰に優位な状態が続き、休むべき時間にも体が「戦闘態勢」から降りられなくなります。すると、横になっても本当の意味で休めず、だるさ・頭痛・めまい・動悸・胃腸の不調などが重なってきます。「疲れているのに、なぜか気持ちだけは張りつめている」という感覚があれば、この状態が関わっているかもしれません。自律神経の乱れについては自律神経失調症とは?で、整え方は自律神経を整える生活習慣とは?で解説しています。

③睡眠の質の低下——「時間」ではなく「質」の問題

十分な時間眠っているのに疲れが取れない場合、眠りの「質」が落ちている可能性があります。眠りが浅い、途中で何度も目が覚める、いびきをかいて睡眠中に呼吸が止まっている——こうした状態では、時間は足りていても、体は休めていません。とくに、大きないびきや日中の強い眠気を伴う場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあり、これは見逃してはいけない疲労の原因です。当院では、ご自宅でできる睡眠時無呼吸の検査に対応しています。眠りの問題全般は不眠・睡眠障害とはで解説しています。

④燃え尽き(バーンアウト)

長期間、全力で走り続けてきた方が、ある時期からエネルギーを使い果たし、何に対しても意欲がわかなくなる状態です。仕事に情熱を注いできた人、責任感の強い人、人のケアをする職業の人に多くみられます。「以前は普通にできていたことが、できなくなった」という感覚が特徴で、疲労感とともに、冷めた無力感が伴うことがあります。詳しくは燃え尽き症候群とは?をご覧ください。

⑤体の病気が隠れていることも

慢性的な疲労は、心の問題だけでなく、体の病気が原因のこともあります。甲状腺機能の低下、貧血、糖尿病、肝機能の問題などは、いずれも強いだるさを引き起こします。だからこそ、疲労を「心のせい」と決めつける前に、体の側の評価も欠かせません。当院は精神科・心療内科とあわせて内科も標榜しており、必要に応じて血液検査などで体の要因を確認したうえで、心身両面から原因を整理できます。


こんな疲れが続いていたら、相談のサインです

  • 十分な睡眠や休養をとっても、疲れが回復しない状態が2週間以上続いている
  • 朝起きた時点で、すでに疲れている
  • 以前は普通にできていたことが、億劫でできなくなった
  • 疲労とあわせて、気分の落ち込み・意欲の低下・眠りの問題がある
  • だるさに加えて、動悸・めまい・頭痛などの体の症状がある
  • 大きないびきや、日中の耐えがたい眠気がある

ひとつでも当てはまり、それが続いているなら、一度ご相談ください。「ただの疲れ」で片づけずに背景を確認することが、回復への第一歩です。WEB予約はこちらから、当日のご予約も承っています。


回復への道筋

まず、原因を切り分ける

疲労の回復は、原因の見極めから始まります。うつ状態なのか、自律神経の問題なのか、睡眠の質なのか、体の病気なのか——ここが分かるだけで、対策の方向が定まり、やみくもに頑張る必要がなくなります。原因が分からないまま「気合いで乗り切ろう」とするのが、いちばん回復を遠ざけます。

「休養」も治療のひとつ

心のエネルギーが枯渇している場合、しっかり休むこと自体が治療になります。ただし、罪悪感を抱えながらの中途半端な休みでは回復しません。「休んでいいのだ」と心から思える状態をつくることも、治療の一部です。必要に応じて、業務調整や休職という選択肢も含めて、一緒に考えます。働きながら治すか休むかの判断は仕事のストレスで限界を感じている方へ|産業医・休職・復職のご相談もご覧ください。

睡眠と生活リズムを立て直す

回復の土台は睡眠です。眠りの質が上がると、それだけで疲労感が大きくやわらぐことがあります。睡眠の問題が疑われる場合は、その評価と立て直しから始めます。

必要に応じた治療

背景にうつ状態がある場合は、休養と並行して、お薬による治療が回復を後押しすることがあります。「疲れているだけで薬なんて」とためらう方もいますが、枯渇したエネルギーの回復を、お薬が支えてくれることがあります。使うかどうかは、状態をうかがったうえで一緒に決めていきますので、心配な点はご相談ください。


よくあるご質問

ただの疲れと、病気の疲れは、どう見分けるのですか?

いちばんの目安は「休養で回復するかどうか」です。しっかり休んで戻るなら通常の疲労、休んでも戻らない・悪化するなら、背景に何かある可能性を考えます。期間も目安で、2週間以上続く回復しない疲労は、一度確認する価値があります。

疲労外来のようなものはありますか?

当院では、疲労の背景にある心身の状態を、精神科・心療内科・内科の視点から総合的に確認できます。「疲れが取れない」という主訴で受診していただいて、まったく問題ありません。

血液検査では異常なしと言われましたが、疲れが取れません。

体の検査で異常がないのに疲労が続く場合、うつ状態・自律神経の乱れ・睡眠の質の低下など、検査の数値には出にくい要因が関わっていることが多くあります。「異常なし」は、むしろ心身のバランスの問題を示す手がかりでもあります。その視点から、一緒に整理していきましょう。

栄養ドリンクやサプリで乗り切っています。続けて大丈夫ですか?

一時的な助けにはなりますが、根本的な回復にはなりません。とくに、それらで無理に動き続けることで、かえって回復を遅らせてしまうこともあります。その場しのぎが続いているなら、一度立ち止まって背景を確認するタイミングです。

今日・明日など、すぐに受診できますか?

当院は当日のご予約にも対応しています(空き状況によります)。土日も診療、平日は夜19時まで対応しているので、お仕事帰りや週末にもご来院いただけます。WEB予約またはお電話(045-663-5925・診療時間内)でご確認ください。


横浜・関内で相談したいとき

みなとメンタルクリニックは、JR関内駅から徒歩2分、桜木町駅・馬車道駅から徒歩5分。横浜市中区・みなとみらいエリアにお勤めの方が、仕事帰りやお昼休みに立ち寄れる場所にあります。祝日以外は土日も診療しており、当日のご予約にも対応しています。「ただ疲れているだけかもしれないけれど」——その段階でのご相談で、まったく構いません。休んでも取れない疲れは、あなたの心身が発している、確かなサインです。ご予約はWEB予約から。受診にあたってのご不明な点はよくある質問もご参照ください。


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関連ページ


参考文献・情報源

  • American Psychiatric Association『DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』(抑うつエピソードにおける易疲労性・気力減退の記載)
  • 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(睡眠の質と疲労回復)
  • 世界保健機関(WHO)ICD-11における燃え尽き症候群(バーンアウト)の位置づけ
  • 厚生労働省|こころの耳/こころの健康|ストレスとこころ

この記事の監修者

田邊 陽一郎(精神保健指定医・精神科専門医・日本医師会認定産業医・難病指定医)
医療法人鴻志会 みなとメンタルクリニック 理事長。秋田大学医学部卒業後、東北での精神科救急・被災地医療、神奈川での在宅医療を経て、現職。うつ病・不安障害・睡眠障害・認知症などを中心に診療。

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