Blog ブログ

2026/09/14

脳疲労は何科に行けばいい?|精神科・心療内科で行うこと、初診の流れ、薬・会社・診断書の不安に横浜・関内の精神科医(産業医)が答えます

この記事は、みなとメンタルクリニック(横浜市中区・関内)の「脳疲労について」ガイドの一記事です。全体像は総合ガイドをご覧ください。


「一度、病院に行ったほうがいいのかもしれない」。そう思ったところまでは来た。けれども、そこから先で止まってしまう方が、とても多いのです。

何科に行けばいいのか分からない。精神科は大げさな気がする。行っても何を話せばいいのか分からない。薬を出されるのではないか。会社に知られたら困る。予約が取れないのではないか。忙しくて平日に行けない。——この一つひとつが、受診の前に立ちはだかる壁になります。

この記事では、その壁を一つずつ外していきます。脳疲労で受診するなら何科なのか、精神科・心療内科で実際に何をするのか、初診はどう進むのか、そして薬・会社・診断書についての不安に、正直にお答えします。読み終わるころには、受診が「大げさなこと」ではなく「普通のこと」に感じられるようになれば、と思っています。


▼ 受診をお考えの方へ
当院は関内駅から徒歩圏(馬車道・桜木町・みなとみらいからもお越しいただけます)にあり、土日も診療しています。空き状況によっては当日のご予約にも対応しています。

▶ Web予約はこちら / ▶ お電話(045-663-5925)


結論:脳疲労は、精神科・心療内科へ

脳疲労で受診するなら、精神科・心療内科が近道です。理由は、脳疲労の奥にある状態——うつ病や適応障害、独立した不眠、そして甲状腺や貧血のような体の原因——を、まとめて確かめられる科だからです。

ただし、頭痛や胃腸症状、動悸など体の症状が中心で、まだ一度も検査を受けていない方は、内科が先でもかまいません。内科で検査をして異常がなかった方、眠りや気分、集中力の変化が中心の方は、精神科・心療内科へお越しください。「内科で異常なしと言われた」という情報は、私たちにとって、とても役に立つ手がかりです。

精神科と心療内科の違いについても、簡単に触れておきます。心療内科はもともと、ストレスが体の症状として出る状態(心身症)を扱う科で、精神科は気分や眠り、考えの変化などを扱う科です。実際には、多くのクリニックが両方を掲げており、脳疲労はどちらで診てもかまいません。詳しくは心療内科と精神科の違いをご覧ください。

物忘れが強く「若年性認知症では」と不安な方も、まずは精神科・心療内科で大丈夫です。働く世代の物忘れの多くは、疲労・睡眠不足・うつ・不安による回復可能なもので、その見分けは精神科の得意分野です。脳の病気が疑われる場合には、必要な検査や専門の科をご案内します。


「まだそこまでじゃない」と思っている方へ

受診をためらう理由で、いちばん多いのがこれです。「脳疲労くらいで精神科に行くのは大げさだ」「もっとつらい人のための場所だ」。

けれども、精神科・心療内科は、病気になった人だけの場所ではありません。「病気にならないために」受診することは、ごく普通の使い方です。そして、脳疲労には「本人が状態を正確に判断できなくなる」という性質があります。「まだそこまでじゃない」という判断自体が、疲れた脳によるものかもしれません。

目安をお伝えしておきます。頭が働かない状態が二週間以上続いている。休み方を整えて二週間たっても戻らない。イライラや涙もろさ、楽しめなさが出てきた。眠れない、あるいは眠りすぎる。内科で異常なしと言われた。家族や同僚に「様子が違う」と言われた。どれか一つでも当てはまるなら、「そこまで」です。疲れの段階でご相談いただけるほうが、回復は早く、方法も軽く済みます。


初診の流れ——当院の場合

受診がどう進むのかが分かるだけで、不安はかなり減ります。当院での初診の流れをご説明します。

予約

Web予約か、お電話でご予約ください。当院は土日も診療しており、夕方以降の枠もあります。空き状況によっては当日のご予約にも対応しています。Web予約で当日枠が出ていない場合も、お電話でご相談いただければ調整できることがあります。

問診票

ご来院後、問診票にご記入いただきます。いまいちばん困っていること、いつからか、眠り、食欲、仕事の状況、これまでの病気やお薬など。書けるところだけで構いません。うまく書けなくても、診察でお聞きしますのでご安心ください。

診察——何を聞かれるのか

診察では、主に次のようなことを伺います。いつから、どんな順番で症状が出てきたか。眠りの様子(寝つき・途中で目が覚めるか・朝の疲れ)。仕事の状況(時間、内容、最近の変化、人間関係)。休日にどう変わるか。楽しめるものがあるか。体の症状の有無。これまでの病気、いま飲んでいる薬、お酒やカフェイン。そして、ご家族や周りの方の目にどう映っているか。

これらを伺うのは、脳疲労の奥に何があるかを、症状の組み合わせと時間の流れから見分けるためです。うまく説明できなくても大丈夫です。「頭が働かない」「疲れが取れない」——それだけ言っていただければ、あとは私たちが質問しながら一緒に整理していきます。

必要に応じて、検査

甲状腺の働きや貧血・鉄の状態など、脳疲労の顔をした体の原因を確かめるために、血液検査をご案内することがあります。気分や眠りの状態を確かめる質問票を使うこともあります。睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、専門の検査をご案内します。

見立てと、道筋の説明

診察の終わりに、いまの状態をどう見立てているか、これからどう進めるかをご説明します。脳疲労の範囲であれば、休み方の順番と二週間の期限をお伝えします。奥に別の状態があるなら、それに合った治療をご提案します。お薬を使う場合も使わない場合も、理由をご説明したうえで、ご相談して決めます。

次回まで

はじめのうちは、二〜四週間に一度が目安です。多くの方は、働きながら通院を続けられます。


受診前に用意しておくと、役立つもの

なくても受診できますが、あると診察が大きく進みます。

  • 一週間分の簡単な記録(寝た時刻、起きた時刻、帰宅時刻、休日の過ごし方)
  • 内科で検査を受けた方は、その結果
  • お薬手帳(いま飲んでいる薬、市販薬やサプリメントも)
  • 直近の勤務時間の目安(残業時間、休日出勤の有無)
  • 伝えたいことのメモ(順番はばらばらで構いません)
  • ご家族や同僚に言われたこと(「最近、様子が違う」など)

薬は、必ず出されますか

いいえ。脳疲労の段階であれば、お薬なしで睡眠と生活の立て直しをご一緒に進めることがほとんどです。

お薬を使うのは、眠れない状態や気分の落ち込みが強く、それ自体が回復を妨げている場合です。その場合も、何のために、どれくらいの期間使うのかをご説明し、ご相談して決めます。眠りのお薬は「眠れる体に戻すための一時的な支え」であり、最初から長く続けることを前提にはしません。「薬は使いたくない」というご希望があれば、そのように進めます。薬を勧められることが怖くて受診できない、という理由で受診を先延ばしにする必要はありません。


会社に、知られませんか

医療機関には守秘義務があり、ご本人の同意なく、会社に受診の事実や内容が伝わることはありません。健康保険を使って受診しても、勤務先の人事や上司に受診の事実や内容が伝わる仕組みはありません。

診断書や意見書も、ご本人が必要と判断したときに、ご本人の手で提出していただくものです。職場の産業医との連携も、ご本人の同意があって初めて行います。働きながら通院を続けるコツは、働きながら精神科・心療内科に通うにはにまとめています。


診断書や休職は、どうなりますか

「脳疲労」という病名で診断書が出ることはありません。脳疲労は診断名ではないからです。ただ、診察で奥にある状態が分かれば、休養が医学的に必要かどうかを判断し、必要であれば診断書を作成します。休職するかどうかは、根性の問題ではなく医学的な判断であり、多くの方は働きながら回復できます。詳しくは脳疲労で休職はできる?診断書は?——仕事を休むべきか迷ったときの考え方をご覧ください。


職場の産業医とは、どう違いますか

産業医の面接指導は、会社の中で働き方を調整するための仕組みで、治療は行いません。クリニックの受診は、診断と治療を行い、必要に応じて主治医として職場に意見を伝える立場です。両方を併用することもできますし、産業医のいない職場の方は、クリニックで働き方のご相談も含めて承ります。

当院は、産業医の資格を持つ医師が診療にあたっています。業務量や配置についての主治医の意見、職場の産業医との連携、時間外労働が月80時間を超えている方への面接指導の仕組みのご案内など、働き方の側からの調整も、あわせてご相談いただけます。


精神科・心療内科の選び方

どこを受診するか迷ったときは、次の点で選ぶと続けやすくなります。

通いやすいこと。駅から近く、仕事帰りや休日に行けること。脳疲労の治療は一度で終わるものではないので、通えない場所では続きません。初診の予約が取りやすいこと。「二週間待ち」の間に、状態が変わってしまうことがあります。働き方の相談ができること。産業医の視点を持つ医師がいると、仕事との調整が具体的になります。そして、薬を使うかどうかを一緒に決めてくれること。

当院(横浜市中区・関内)は、関内駅から徒歩圏、馬車道・桜木町・みなとみらいからも通いやすい場所にあり、土日診療と当日予約に対応しています。仕事帰りの受診については会社帰りに通える心療内科をご覧ください。


よくあるご質問

紹介状は必要ですか

不要です。内科で検査を受けた方は、その結果をお持ちいただけると助かりますが、なくても受診できます。

初診では、どれくらい時間がかかりますか

初診は、これまでの経過をゆっくり伺うために、再診より時間をとっています。お仕事の前後に受診される方は、ゆとりをもってご予約ください。

家族と一緒に受診してもよいですか

もちろんです。ご本人が気づきにくい変化を、ご家族が教えてくださることは、診察の大きな助けになります。ご家族だけで先にご相談いただくことも可能です(家族・パートナーの脳疲労に気づいたら)。

うまく話せる自信がありません

話せなくて大丈夫です。診察は、医師が質問しながら進めます。「頭が働かない」「疲れが取れない」の一言から始めてください。メモをお持ちいただいても、それを読んでいただくだけでも構いません。

平日は仕事で行けません

当院は土日も診療しており、夕方以降のご予約も可能です。関内駅から徒歩圏で、馬車道・桜木町・みなとみらいからもお越しいただけます。

今日つらいのですが、当日でも診てもらえますか

空き状況によっては当日のご予約にも対応しています。Web予約で当日枠が出ていない場合も、お電話でご相談いただければ調整できることがあります。初診の流れの詳細は初めて受診される方へをご覧ください。


受診は、「大げさなこと」ではありません

ここまで読んでくださった方は、受診の壁を、もうほとんど越えています。何科かは分かった。何をするかも分かった。薬も会社も、心配しなくてよいことが分かった。

残っているのは、「行く」と決めることだけです。脳疲労の範囲であれば、休み方をお伝えして、二週間後を一緒に確かめます。奥に別の状態があるなら、それに合った道筋を立てます。どちらであっても、早いほうが、道は短くて済みます。

▶ Web予約はこちら / ▶ お電話(045-663-5925)

みなとメンタルクリニック(横浜市中区・関内)/土日診療・当日予約に対応


関連ページ


参考

  • 厚生労働省 こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)
  • 労働安全衛生法(長時間労働者への医師による面接指導)
  • 厚生労働省 労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのための指針
  • ICD-11(World Health Organization)/DSM-5-TR(American Psychiatric Association)

この記事の監修者

田邊 陽一郎(精神保健指定医・精神科専門医・日本医師会認定産業医・難病指定医)

医療法人鴻志会 みなとメンタルクリニック 理事長。秋田大学医学部卒業後、東北での精神科救急・被災地医療、神奈川での在宅医療を経て、現職。うつ病・不安障害・睡眠障害・認知症などを中心に診療。

詳しいプロフィールはこちら