Blog ブログ

2026/06/16

自律神経失調症とは?症状・原因・受診の目安を横浜・関内の精神科医が解説

自律神経失調症とは?症状・原因・受診の目安を横浜・関内の精神科医が解説

動悸がする。めまいもする。体は毎日重くて、頭痛と胃の不快感がだらだら続く。それなのに、内科で検査を受けたら「異常ありませんね」。循環器も耳鼻科も回ったけれど、答えはどこも同じ。しまいには「ストレスじゃないですか」のひと言で診察が終わって、何も解決しないまま家に帰る――こういう経験を、もう何度もしてきた方が、このページを開いているのだと思います。

つらさは本物なのに、その不調には名前も居場所もない。誰にも分かってもらえない。この心細さがどれほどのものか、横浜・関内のみなとメンタルクリニックの診察室で、私は毎週のように聞いています。だから最初に、これだけは言わせてください。検査で異常が出ないことと、つらさが存在しないことは、まったく別の話です。あなたの不調は気のせいではないし、仮病でもない。その背景には、自律神経の乱れが関わっていることがあります。

このページから始まる全10回のシリーズで、自律神経失調症とは何か、なぜ心の負担が体に出るのか、動悸・めまい・胃腸などの症状別の見方、うつ病との見分け、生活の整え方、薬のことまで、診察室でお話しするのと同じ順番で解説していきます。1本目のこのページは、全体の見取り図です。読み終えたら、ページ末尾の「次のページ」から、いま一番気になる症状へ進んでください。

「読むより先に、まず相談したい」という方へ。当院は関内駅から徒歩2分、桜木町駅・馬車道駅からも徒歩5分。土日も診療しており、当日のご予約も承っています。WEB予約はこちら、お電話は045-663-5925(診療時間内)へどうぞ。


自律神経失調症とは――「検査に出ない不調」の、ひとつの背景

自律神経失調症とは、自律神経のバランスが乱れることで、検査でははっきりした異常が見つからないのに、さまざまな身体症状や気分の不調が出ている状態を指す言葉です。ここで、意外に思われるかもしれない事実をひとつ。「自律神経失調症」は、正式な単一の病名ではありません。診断基準に載っている疾患名というより、「自律神経の乱れによると考えられる不調の状態」をざっくりまとめた呼び名に近いのです。

なぜこの区別にこだわるのか。同じ「動悸とめまいが続く」でも、中身は人によってまるで違うからです。ストレスと寝不足が主な人もいれば、その奥にうつ病や不安症が隠れている人もいる。甲状腺や心臓の病気が見つかることだってあります。「自律神経失調症だろう」と自分で名前をつけて納得してしまうと、本当に手当てすべきものを素通りしかねません。ラベルを貼ることより、何が起きているのかを一枚ずつめくって確かめること。それが回復への最短ルートです。うつ病・不安症との見分け方は、シリーズ7本目の自律神経失調症とうつ病・不安症の違いとは?で丸ごと一本かけて解説しています。

自律神経のはたらき――アクセルとブレーキ

そもそも自律神経は何をしている神経か。呼吸、心拍、血圧、体温、消化、発汗。こうした体の働きを、本人が寝ていようが仕事に没頭していようが、24時間休みなく調整し続けている神経です。司令塔は脳の視床下部。そこから全身に張りめぐらされた回路が、活動時にはたらく交感神経と、休息時にはたらく副交感神経の二系統に分かれています。心臓も胃腸も血管も、多くの臓器がこの両方から二重に支配されていて、綱引きのように引っぱり合いながら、ちょうどいいところに体を保っています。

よく使うたとえですが、交感神経は車のアクセルです。仕事や緊張の場面で体を活発にし、心拍を上げ、血管を引きしめる。副交感神経はブレーキで、休息や睡眠のときに優位になり、心拍を落ち着かせ、胃腸を動かし、体を回復モードに入れます。健康なときは、日中はアクセル、夜はブレーキと、意識しなくてもなめらかに切り替わっている。ここまでは、うまくできた仕組みの話です。

問題は、強いストレス、過労、睡眠不足、不規則な生活が重なったとき。切り替えのレバーが渋くなります。いちばん多いのが、アクセルが踏まれっぱなしで、ブレーキがかからなくなるパターン。夜になってもゆるむはずの緊張がゆるまず、体はずっと臨戦態勢のまま。心拍、血圧、消化、発汗の調整があちこちでズレはじめ、それが動悸、めまい、胃の不調といった形で表に噴き出してくる。体が壊れたわけではないのです。調整の仕組みが、積みすぎた荷物でいったん傾いている。それが自律神経失調症の正体に、いちばん近いイメージです。

なぜ、心の負担が、体の不調になるのか

「気持ちの問題のはずなのに、どうして体に出るんですか」。診察室で本当によく聞かれる質問です。答えは、自律神経が心と体をつなぐ連絡路だから。ここに尽きます。

強いストレスや不安を感じると、視床下部がそれを真っ先に受け取り、交感神経とストレスホルモンを通じて全身へ信号を送ります。試験前に心臓がドキドキする。人前で手が震える。緊張でお腹が痛くなる。焦ると汗が噴き出す。どれも誰もが知っている反応で、そして、どれも「心の状態が体を実際に動かしている」ことの動かぬ証拠です。試験前のドキドキを心電図で「異常」として捉えることはできません。でも、確かに起きていますよね。

あれが一過性で終わらず、慢性的に、もっと深いところで回り続けている状態。それが自律神経失調症です。だから、ここで出てくる体の不調は、心の負担が自律神経という回路を通って、実物の体の反応に翻訳されたものであって、「気のせい」では断じてない。この仕組みを知っているだけでも、「検査に出ないのに症状がある=恐ろしい病気が見逃されているのでは」という、不安が不安を呼ぶ回路から少し降りやすくなります。ちなみに、ストレスが体の症状として現れる状態を、医学では「心身症」という枠組みでも扱います。関心のある方は心身症とは?心身症と自律神経失調症の違いとは?へどうぞ。

自律神経失調症の、主な症状

自律神経は全身の器官を受け持っているので、乱れたときの症状も全身にばらばらと散らばります。出方の個人差が大きいのも特徴です。部位ごとに整理します。シリーズでは症状ごとに1本ずつ記事を用意しているので、いま一番つらいところから読んでいただくのが早いです。

循環器・呼吸では、動悸、息切れ、胸の苦しさ(2本目:動悸がするのはストレスのせい?)。頭まわりでは、めまい、ふらつき、立ちくらみ(3本目:めまい・ふらつきはストレスのせい?)、頭痛、頭の重さ、頑固な肩こり(5本目:頭痛・肩こりがとれないのはストレスのせい?)。消化器では、胃の痛みやもたれ、吐き気、下痢や便秘(4本目:ストレスで胃が痛い・お腹の調子が悪いのは自律神経のせい?)。全身では、抜けない倦怠感、休んでもとれない疲れ(6本目:体がだるい・疲れがとれないのはストレスのせい?)、手足の冷えやほてり、汗の異常。睡眠は、寝つけない、眠りが浅い、夜中に目が覚める不眠・睡眠障害とは)。精神面では、気分の落ち込み、理由のはっきりしない不安、イライラ。

やっかいなのは、これらが日によって、時間帯によって、顔ぶれを変えることです。今日は頭痛、明日はめまい、週末は胃。だから内科、整形外科、耳鼻科、消化器科と順番に回っても、それぞれの科では「異常なし」。原因にたどり着けないまま、受診疲れだけが積もっていく。実は、この「症状があちこち動き回って、検査では捕まらない」という振る舞いそのものが、自律神経の乱れのいちばん典型的な姿です。疲れが前面に出ている方は疲れがとれない・ストレスで不調が続くあなたへ、体の症状全般がつらい方はストレスで体調が悪いも併せてどうぞ。

セルフチェック――いくつ当てはまりますか

診察の前段階として、ご自身の状態をざっと眺めるためのチェックです。診断ではなく、あくまで整理の道具として使ってください。

  • 動悸・めまい・頭痛・胃の不調など、複数の身体症状が2週間以上続いている
  • 内科などで検査を受けたが「異常なし」と言われた
  • 症状の出る場所や強さが、日によって変わる
  • 忙しい時期、緊張する場面、寝不足のあとに決まって悪化する
  • 寝つきが悪い、眠りが浅い、朝すっきり起きられない
  • 休日に休んでも、疲れが戻りきらない
  • 気分の落ち込みやイライラ、漠然とした不安が増えた
  • この不調のせいで、仕事・家事・外出に支障が出はじめている

3つ以上当てはまり、それが2週間を超えて続いているなら、相談を考えてよい段階です。とくに最後の「生活に支障」に印がつくなら、様子見よりも一度の受診をおすすめします。WEB予約はこちらから、当日予約にも対応しています。

自律神経が乱れる、主な原因

原因はたいてい一つではありません。いくつもの負荷が重なって、ある日、器からあふれる。そういう出方をします。

いちばん大きいのは、仕事や人間関係、環境の変化による精神的なストレス。そこに、睡眠不足・不規則な生活・昼夜逆転といった生活リズムの乱れが重なると、交感神経が高ぶったまま下がらなくなります。長時間労働や休めない日々による過労、異動・転居・進学といった環境の変化も引き金になります。それから、季節の変わり目や気圧の変動。「雨の前に決まって頭が痛くなる」タイプの方は、気象病・天気痛の側面もあるかもしれません(8本目:天気が悪いと頭痛・だるさが出る「気象病・天気痛」とは?)。女性の場合は、月経前や更年期のホルモン変動が自律神経と深く絡みます。

診察室でよく出会うのは、たとえばこんな経過です。真面目で断れない性格の方が、春の異動で環境が変わる。新しい仕事を覚えるために睡眠を削る。ゴールデンウィーク明けあたりから胃の調子が崩れ、梅雨に入ってめまいが加わり、夏前のある朝、起き上がれなくなる。一つひとつは「よくあること」なのに、積み重なると体が音を上げる。生活リズムと自律神経は切っても切れない関係なので、睡眠が乱れている自覚のある方は不眠・睡眠障害とはも読んでみてください。

こんな方は、自律神経が乱れやすい

強いストレスが続いている方。睡眠不足や不規則な生活が当たり前になっている方。異動・転居・進学など、生活の枠組みが大きく変わった時期の方。気圧や季節の変化に体が反応しやすい方。そして――外来で本当に多いのがこのタイプなのですが――真面目で責任感が強く、人に頼るのが苦手で、つい頑張りすぎてしまう方。我慢強い人ほどSOSを出さずに限界まで走り、ある日、心より先に体のほうが倒れます。思い当たるなら、それは弱さの証明ではありません。これまで無理を重ねてこられた、その証拠です。

女性と自律神経――ホルモンの波との関わり

女性では、月経前や更年期など、ホルモンが大きく揺れる時期に自律神経の不調が出やすくなります。自律神経とホルモン、どちらの司令塔も脳の視床下部。隣り合った持ち場なので、片方の乱れがもう片方に波及しやすいのです。のぼせ、ほてり、急な動悸、気分の浮き沈みがいっぺんに押し寄せることもあります。「年齢のせい」「生理だから仕方ない」と我慢で片づけてしまう方が多いのですが、つらいときはホルモンの背景ごと相談してもらったほうが、話が早く整理できます。当院には女性医師も在籍しています。「同性の医師に話したい」というご希望は、予約の際にお申し付けください。

検査で自律神経失調症は「証明」できるのか

ここは正直にお話しします。自律神経の乱れそのものを白黒はっきり映し出す、決定的な検査は、現在のところありません。血液検査にも心電図にも、乱れは映らない。だからこそ「異常なし」が続くわけです。

では診察で何をするのか。中心になるのは、ていねいな問診です。いつから、どんな症状が、どんな場面で強くなるのか。眠れているか。仕事や家庭で何が起きているか。そして、体の病気を疑うサインが混じっていないか。こうした情報を突き合わせると、症状の輪郭が驚くほどはっきりしてきます。「検査がないなら受診しても意味がないのでは」と思われるかもしれませんが、逆です。検査に映らない不調こそ、話を聞くことが検査の代わりになる。準備は要りません。うまく説明できなくても、症状をメモした紙切れ一枚あれば十分です。

放っておくと、どうなるのか――悪循環が固まる前に

「そのうち治るだろう」と様子を見ているあいだに、乱れが、ほどけにくい形に固まってしまうことがあります。よくある経過はこうです。

最初は忙しい時期の動悸だけだった。ところが症状が続くうちに「この不調は何なのか」という不安が芽生え、その不安が交感神経をさらに高ぶらせ、症状を強くする。夜は症状が気になって眠りが浅くなり、寝不足が翌日の乱れに上乗せされる。日中はだるくて能率が落ち、「こんなこともできないのか」と自分を責め、その自責がまた新しいストレスになる。症状・不安・不眠・自責。この四つが互いに燃料をくべ合う輪が完成すると、きっかけだった元のストレスが片づいても、輪だけが回り続けます。さらに長引けば、その先でうつ病や不安症に育っていくことも珍しくない。

裏を返せば、輪がまだゆるいうちに手を入れれば、回復も早い。「まだ我慢できるから受診しない」ではなく、「まだ我慢できるうちだから受診する価値がある」。長く外来をやってきた実感として、ここは強くお伝えしたいところです。つらさが2週間を超えているなら、WEB予約からどうぞ。当日のご予約も承っています。

「検査をしても異常なし」と言われた方へ

動悸やめまい、胃腸の不調でひととおり検査を受けて「異常ありません」。この宣告のあとの気持ちを、外来で何度も聞いてきました。重い病気がなかったこと自体は良い知らせのはずなのに、当人に残るのは「では、この動悸は何なのか」「この確かにあるつらさを、どこへ持っていけばいいのか」という宙ぶらりんの不安。むしろここからが本番でしんどい、という方がたくさんいます。

そういうとき、症状の背景にストレスや自律神経の乱れ、あるいは不安症やうつ病が潜んでいることがあります。心療内科・精神科は、この「体の検査では捕まらない心身の不調」を引き受ける相談先のひとつです。当院では、こころの状態をていねいにうかがって整理したうえで、体の病気の可能性が残る場合は、連携している内科などの医療機関とも相談しながら、必要に応じて適切な科へおつなぎします。各科を回って行き場をなくした不調の、次に頼れる場所でありたい。「どこに相談すればいいか分からない」という、まさにその状態のままお越しください。それを一緒に解きほぐすのが、私たちの仕事です。

自律神経失調症と、間違われやすい・背景にある状態

くり返しになりますが、「自律神経失調症」の顔をした不調の裏に、別の状態が隠れていることがあります。見落とすと回復が遠回りになるので、少し丁寧に並べておきます。実際に何が関わっているかは、症状と経過をふまえて医師が見立てます。

不安症・パニック障害。突然の動悸や息苦しさ、めまいは、自律神経の乱れとしてだけでなく、不安発作の症状としても出ます。両者は地続きで、見分けには経過の確認が要ります(不安とは?パニック障害とは?)。うつ病。倦怠感、不眠、食欲の低下、気分の沈みが長く続くなら、底にうつ病があるかもしれません。とくに、気分より体の症状が前に出る「仮面うつ病」は、自律神経失調症と間違われやすい代表格です(うつ病とは?)。適応障害。異動や人間関係など、はっきりしたストレスをきっかけに不調が出て、その環境から離れると楽になる波があるなら、こちらの可能性が高まります(適応障害とは?)。そして体の病気。甲状腺の機能異常、貧血、心臓の不調、糖尿病あたりは、自律神経失調症とそっくりの症状を出します。だからこそ、必要に応じて連携先での検査も含めて確認しておくことに意味があるのです。見分け方の詳細は、7本目の自律神経失調症とうつ病・不安症の違いとは?にまとめました。

こんな症状は、自己判断せず早めに医療機関へ

自律神経の乱れによる不調の多くは、命に直結しません。ただし、急いで対応すべき体の病気のサインが紛れていることがあります。次に当てはまるときは、「どうせ自律神経だろう」と流さず、早めに受診してください。強い胸の痛みや圧迫感、意識が遠のくような動悸。突然の激しいめまいに、手足のしびれ・ろれつが回らない・物が二重に見えるといった症状が重なるとき。急な体重減少や、原因の分からない発熱が続くとき。強い気分の落ち込みが何週間も続き、生活が立ち行かなくなっているとき。これらは、体の重い病気や、しっかりした治療を要するこころの不調のサインであることがあります。我慢比べは、しないでください。

何科に相談すればいい? 受診の目安

順番としては、症状に応じてまず体の検査、が基本です。動悸や胸の症状が強ければ内科・循環器内科。激しいめまいなら耳鼻咽喉科。その症状を扱う科で器質的な病気がないことを確かめ、それでも症状が続くなら、心療内科・精神科で背景のストレスとこころの状態を見ていく。遠回りに見えて、これがいちばん確実な道筋です。すでに「異常なし」をもらっている方は、その結果が次の相談の土台になるので、検査結果があればお持ちください。

受診を考えてよいラインは、先ほどのセルフチェックと重なります。不調がだらだら2週間以上続いている。検査で異常なしと言われた。ストレス場面で決まって悪化する。眠れない、食欲がない。そして生活に支障が出ている。「この程度で受診なんて大げさでは」とためらう方がとても多いのですが、つらさがあって生活に差し支えている。それだけで、相談する理由としては十分すぎるほどです。WEB予約はこちらからご予約いただけます。

治療について

自律神経失調症の治療は、薬で症状にフタをすることが目的ではありません。土台は、乱れの大もとにあるストレスと生活リズムを整えていくこと。踏まれっぱなしのアクセルをどうゆるめ、ブレーキの効く体に戻していくか。そこを一緒に設計していきます。

当院で組み合わせる柱は三つです。第一に、主治医の指導のもとで進める生活習慣の見直し。睡眠と活動のリズムを、患者さん任せにせず、状態を見ながら段階的に整えます(自分で取り組める工夫は9本目の自律神経を整える生活習慣とは?に詳しくまとめています)。第二に、お話をうかがいながらの整理。何が負担なのか、どう受けとめ、どこから手放せるかを、診察のなかでほぐしていきます。第三に、症状が強くて生活が回らないときの必要に応じた薬物療法。眠れない時期の睡眠を助ける薬、不安や動悸が強い時期にそれをやわらげる薬を、必要な期間だけ。体質や症状によっては漢方薬という選択肢もあります。西洋薬と漢方それぞれの考え方は、シリーズ最終回の自律神経失調症の薬物治療とは?で解説しています。「とりあえず薬を出して終わり」にはしません。なぜ自律神経が乱れたのか、その背景から一緒に見ていくのが当院の流儀です。

自分でできる、セルフケア

治療と並行して、暮らしのなかで自律神経を整える工夫も確かな支えになります。ただし先に釘を刺させてください。全部を完璧にやろうとしないこと。それ自体が新しいストレスになって、本末転倒です。できそうなものを一つか二つ、ゆるく。それで十分です。

基本は、起きる時間をそろえて、朝に光を浴びること。狂いかけた体内時計と自律神経のリズムが、ここから整いはじめます。夜はぬるめのお湯にゆっくりつかって体を休息モードへ。日中は散歩くらいの軽い運動で、踏みっぱなしのアクセルを一度リセット。それから呼吸。吸うことより、長く吐くことを意識すると、ブレーキ役の副交感神経がはたらいて、その場で緊張がほどけていきます。カフェインとお酒を控えめにするのも、交感神経の高ぶりと睡眠の劣化を防ぐうえで効きます。なぜそれが効くのかという理屈まで含めた具体的な手順は、自律神経を整える生活習慣とは?で一つずつ解説しています。つらいときに「あれもこれも」と背負い込むのは逆効果。優先順位に迷ったら、診察で一緒に整理しましょう。

みなとメンタルクリニックでの、ご相談

当院は、横浜・関内で30年続く心療内科・精神科のクリニックです。「検査では異常がないのに、つらさだけが続く」という相談を、開院以来ずっと引き受けてきました。お役に立てそうな点を挙げておきます。

体とこころの両面から整理できること。こころの状態をていねいにうかがったうえで、体の病気の可能性が残る場合には、連携している内科などの医療機関と相談しながら、必要に応じて適切な科へおつなぎします。「心からなのか体からなのか、自分でも分からない」という方にこそ、この橋渡しが効きます。「異常なし」と言われた不調の受け皿であること。各科を回って行き場をなくした方が、次に安心して腰を下ろせる場所でありたいと考えています。診察はすべて精神保健指定医・精神科専門医が担当し、症状の奥のストレスや気分の状態まで、時間をかけてうかがいます。通いやすさの面では、関内駅から徒歩2分、桜木町駅・馬車道駅から徒歩5分。横浜市中区・みなとみらいエリアからもすぐで、土日も診療、平日は夜19時まで。お仕事帰りに寄れます。理事長は日本医師会認定産業医でもあるので、働く方の職場との連携や診断書の作成にも対応できます。

初診の流れ

当院は予約制です。WEB予約からご予約ください(当日のご予約も承っています)。持ち物は保険証と、服用中のお薬があればお薬手帳。初診は30分ほどかけて、いつ頃から、どんな症状が、どんなときに出るのか、背景にどんなストレスがあるのかをじっくりうかがいます。うまく話せる自信がなければ、メモ書き一枚で構いません。そのうえで進め方を一緒に決め、必要に応じてお薬の処方(院外処方)や、連携先の医療機関へのご紹介を行います。

よくある質問

「自律神経失調症」は、正式な病名ですか?

正式な単一の病名というより、自律神経の乱れによると考えられる不調の状態を広く表す言葉として使われています。背景にうつ病や不安症、体の病気が隠れていることもあるため、つらさが続くときは自己判断で止まらず、相談することがすすめられます。

内科で「異常なし」でしたが、受診してもいいですか?

はい。検査で体の異常が見つからなくても、ストレスや自律神経の乱れ、不安やうつが関わっていることがあります。当院ではこころの面から整理し、体の病気の可能性が残る場合には、連携先の内科などとも相談しながら必要な科へおつなぎします。検査結果をお持ちいただけると、話が早く進みます。

自律神経の検査は、ないのですか?

自律神経の乱れそのものを確定的に映す検査は、現在のところ確立していません。診察の中心はていねいな問診です。症状の経過、生活状況、ストレスの背景を突き合わせることで、状態の輪郭を整理していきます。話すことが、検査の代わりになるとお考えください。

治療には、どのくらいの期間がかかりますか?

状態によって幅がありますが、自律神経のリズムは数日で切り替わるものではなく、数週間から数か月かけてゆっくり整っていくことが多いです。早めに相談を始めるほど、悪循環が固まる前に手を打てるぶん、道のりは短くなりやすいといえます。

自律神経失調症で受診するのは、大げさでしょうか?

大げさではありません。つらさが続いて生活に支障が出ているなら、それだけで相談してよい状態です。早めに整理するほうが、不安が不安を呼ぶ悪循環を防ぎやすくなります。

今日・明日など、すぐに受診できますか?

当院は当日のご予約にも対応しています(空き状況によります)。土日も診療、平日は夜19時まで対応しているので、お仕事帰りや週末にもご来院いただけます。WEB予約またはお電話(045-663-5925・診療時間内)でご確認ください。

横浜・関内で、原因のわからない不調にお悩みの方へ

原因のはっきりしない不調が続くと、「この先どうなるのか」「どこに相談すればいいのか」と、不安ばかりが育っていきます。でも、ここまで読んでくださったなら、少し景色が変わっているはずです。あなたの不調には、ちゃんと背景があり、ちゃんと行き場がある。自律神経の乱れによる不調は、生活を整え、背景のストレスに手を当てていくことで、改善が期待できる状態です。一人で抱えて回し続けるより、一度、状態を整理しに来てください。それだけでずいぶん軽くなることが、実際にあります。

みなとメンタルクリニックは、関内駅から徒歩2分、桜木町駅・馬車道駅からも徒歩5分。横浜市中区・みなとみらいエリアからも通いやすく、土日も診療、平日は夜19時まで対応しています。WEB予約はこちらから、ご不明な点はよくある質問もご覧ください。


次のページはこちら

シリーズ2本目は、外来でいちばん相談の多い症状、動悸です。「急に心臓がドキドキする」「検査では異常なしなのに動悸が続く」――そのしくみと対処を、じっくり解説します。

▶ 次のページ:動悸がするのはストレスのせい?自律神経との関係と対処を横浜・関内の精神科医が解説

自律神経シリーズ(全10回)

「病気とまでは言えない気がするけれど、疲れと不調が続いている」という段階の方は、疲れがとれない・ストレスで不調が続くあなたへもご覧ください。


関連ページ


参考文献・情報源

  • 厚生労働省|e-ヘルスネット「自律神経失調症」「ストレスとこころ」
  • 厚生労働省|こころの耳
  • 日本心身医学会|心身医学に関する情報
  • 日本自律神経学会|自律神経に関する資料

この記事の監修者

田邊 陽一郎(精神保健指定医・精神科専門医・日本医師会認定産業医・難病指定医)
医療法人鴻志会 みなとメンタルクリニック 理事長。秋田大学医学部卒業後、東北での精神科救急・被災地医療、神奈川での在宅医療を経て、現職。うつ病・不安障害・睡眠障害・認知症などを中心に診療。

詳しいプロフィールはこちら