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2026/06/23

自立支援医療の自己負担上限額はどう決まる?「世帯」と所得区分の仕組みを横浜・関内の精神科医が解説

「精神科や心療内科に通いたいけれど、毎月の医療費が続けられるか不安」「診察代や薬代がかさんで、通院をためらってしまう」——こうした費用の心配から受診を迷っている方は少なくありません。

そうした方の支えになるのが、自立支援医療(精神通院医療)という公的制度です。この制度を使うと、精神科・心療内科への通院にかかる窓口負担が原則1割に軽減され、さらに所得に応じて毎月の自己負担に上限が設けられます。

このページでは、自立支援医療の仕組み、どのくらい安くなるのか、対象になる方、横浜市での申請の流れと必要書類について、横浜市中区・関内のみなとメンタルクリニックの精神科医が解説します。

自立支援医療(精神通院医療)とは

自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患のために継続的な通院治療が必要な方を対象に、その医療費の自己負担を軽減する公的な制度です。

通常、医療保険を使った窓口負担は3割ですが、この制度の対象になると、対象の医療機関・薬局での精神科通院に関する負担が原則1割に下がります。さらに、世帯の所得に応じて1か月あたりの自己負担に上限額が設定され、上限を超えた分は支払う必要がなくなります。

通院や服薬を長く続ける必要がある場合、この差は大きく、安心して治療を継続するための支えになります。

どのくらい医療費が軽減されるのか

軽減には、大きく2つの仕組みがあります。

  • 窓口負担が3割から原則1割に:診察代、薬代、精神科に関する検査代などの自己負担が軽くなります
  • 毎月の自己負担に上限額が設定される:世帯の課税状況に応じて月額の上限が決まり、それ以上は支払い不要になります

たとえば通院と服薬を続けている方の場合、月々の負担が大きく下がることが多く、治療を続けやすくなります。

自己負担上限額の仕組み

1か月あたりの自己負担上限額は、本人の収入だけでなく「世帯」全体の課税状況によって決まります。ここでいう「世帯」は、原則として同じ医療保険に加入している家族の単位です。

区分ごとの上限額の目安は次のとおりです(金額は国の基準にもとづきますが、所得区分の判定や運用は自治体により異なるため、正確な金額はお住まいの区の窓口でご確認ください)。

  • 生活保護世帯:0円
  • 市町村民税非課税世帯(本人収入が一定額以下):2,500円
  • 市町村民税非課税世帯(本人収入が一定額を超える):5,000円
  • 市町村民税課税世帯(中間所得層)で「重度かつ継続」に該当:10,000円 など
  • 一定所得以上で「重度かつ継続」に該当:20,000円

「重度かつ継続」とは、うつ病・双極性障害(躁うつ病)・統合失調症・てんかん・認知症などの方や、継続的に相当額の医療費がかかると医師が判断した方が該当します。これに当てはまると、課税世帯でも月額の上限が設定され、負担が抑えられます。気分障害で通院を続けている方の多くが対象になり得ます。

対象になる方

自立支援医療(精神通院医療)の対象は、精神疾患があり、通院による治療を継続的に必要とする方です。入院は対象外で、外来通院が対象です。

対象となる主な状態には、次のようなものがあります。

  • うつ病などの気分障害
  • 双極性障害(躁うつ病)
  • 不安症(パニック症・社交不安症・全般不安症など)
  • 適応障害、ストレス関連の不調
  • 強迫症
  • 不眠症などの睡眠障害
  • 発達障害(ADHD・ASD)
  • 統合失調症
  • てんかん、認知症 など

「自分の状態が対象になるか分からない」という場合も、まずは診察のなかでご相談ください。気分の落ち込みについてはうつ病とは?症状・原因・治療を解説もご覧ください。

横浜市での申請の流れ

申請は、おおまかに次の流れで進みます。

  • 1.主治医に相談し、診断書を作成してもらう:自立支援医療用の診断書(神奈川県指定様式)を、指定自立支援医療機関の医師が作成します
  • 2.お住まいの区の窓口で申請する:横浜市の場合、各区の福祉保健センターが申請窓口です。診断書や必要書類を提出します
  • 3.審査後、受給者証が交付される:神奈川県での審査を経て、受給者証が交付されます。交付までおおむね2か月程度かかります
  • 4.受給者証を医療機関・薬局の窓口で提示する:登録した医療機関・薬局で受給者証(必要に応じて自己負担上限額管理票)を提示すると、負担が軽減されます

受給者証が手元に届くまでの間の医療費については、申請書の控えなどを使って後日精算できる場合があります。窓口でご相談ください。

申請に必要なもの

主な必要書類は次のとおりです(詳細はお住まいの区の窓口でご確認ください)。

  • 自立支援医療費(精神通院)支給認定申請書
  • 自立支援医療診断書(精神通院医療用・神奈川県指定様式)
  • 世帯の所得・課税状況が確認できる書類、または所得確認の同意書
  • 加入している医療保険の資格が確認できる書類
  • マイナンバーが確認できるもの・本人確認書類

診断書の作成には別途料金がかかります。

指定された医療機関・薬局でのみ使えます

自立支援医療は、受給者証に登録した医療機関・薬局でのみ利用できます。通院する病院・診療所は1か所、薬局は2か所まで登録できます。

通院先や薬局を変えたい場合や、引っ越しをした場合は、変更の手続きが必要です。申請のときに、どの医療機関・薬局を登録するかを決めておきましょう。

有効期間と更新

受給者証の有効期間は原則1年です。引き続き利用する場合は、有効期限の3か月前から更新(継続)の申請ができます。審査に時間がかかるため、早めの手続きが安心です。

なお、更新時の診断書の提出は原則2年に1度です(受給者証の更新自体は毎年必要です)。

よくある質問

自立支援医療を使うと、職場に知られますか?

自立支援医療を利用していること自体が、勤務先に自動的に通知される仕組みはありません。受給者証は医療機関・薬局の窓口で提示するもので、ご自身から職場へ提出しない限り、利用の事実が職場に伝わることは通常ありません。

精神障害者保健福祉手帳とは違うのですか?

別の制度です。自立支援医療は通院医療費を軽減する制度で、手帳は障害の程度を示し、別のサービスや割引などにつながる制度です。両方を同時に申請することもできます。

通院を始めてから、途中で申請できますか?

できます。すでに通院している方も、対象となる状態であれば申請できます。「もっと早く使えばよかった」という方も多い制度です。

どのくらい安くなるか、事前に分かりますか?

窓口負担は原則1割になり、世帯の課税状況に応じて月額上限が決まります。具体的な金額は所得区分によって変わるため、診察やお住まいの区の窓口でご確認いただくのが確実です。

横浜・関内で自立支援医療を使って通院したい方へ

みなとメンタルクリニックは、指定自立支援医療機関として、自立支援医療(精神通院医療)の診断書の作成に対応しています。当院での通院・お薬を制度の対象とし、申請の進め方についてもご案内します。「費用が心配で受診をためらっている」「長く通うことになりそうで負担を抑えたい」という方は、診察のなかでお気軽にご相談ください。

当院は関内駅から徒歩2分、桜木町駅・馬車道駅から徒歩5分。土日も診療しており、お仕事帰りや休日にも通いやすい立地です。WEB予約のほか当日予約にも対応し、女性医師も在籍しています。また、産業医に相談できる体制があり、仕事のストレスや休職・復職についても対応しています。初めて受診される方は心療内科・精神科の初診では何を話す?費用・持ち物・予約の流れもご覧ください。

受診をご希望の方は、WEB予約はこちらからご予約ください。当日予約も可能です。


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参考・情報源

本記事は、以下の公的情報をもとに作成しています。制度の詳細や最新の取り扱い、自己負担上限額の正確な区分については、お住まいの区の窓口や公式情報をご確認ください。

  • 厚生労働省|自立支援医療(精神通院医療)の概要
  • 神奈川県|自立支援医療(精神通院医療)
  • 横浜市|各区福祉保健センター(自立支援医療の申請窓口)

医学監修

田邊 陽一郎(精神保健指定医・精神科専門医・日本医師会認定産業医)
医療法人鴻志会 みなとメンタルクリニック 理事長。秋田大学医学部卒業後、東北の精神科救急・被災地医療、神奈川の在宅医療を経て現職。うつ病・不安障害・睡眠障害・認知症などを中心に診療。

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